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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説
第一章 九話 熱圏突破 後編
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開!とっとと離脱するぞ!」

「ラジャー!」

バウンゼィはエンジンを全開して最大船速でヴァナージの熱圏を離脱し始めた。それでも離脱にかかる時間は一時間ほどに短縮されただけなので、後は時間との勝負である。

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ユニコーン ブリッジ

「ん?バウンゼィが離脱し始めている。」

「そう言えばあの艦は耐熱処理してなかったな。」

ゲイケットと白野は遠ざかるバウンゼィを見送りながら自艦のエンジン出力を調整し、バウンゼィと一定以上の距離を開けないように務めていた。

「よし、このくらいでいいだろう。これで引き離される事は無い。」

ユニコーンは常にバウンゼィを索敵範囲内に捉え続けながら航行を続ける。
話す事がなくなったゲイケットは、白野にある事を聞いて見る事にした。

「ところで艦長、マゼラニックストリームを越えた後はどうするんだ?」

「そうだな………まずはネージリンスを回ってみようと思う。あそこは他の二国に比べて大マゼランとの交流が盛んだから科学技術が独自の発展を見せているらしい。面白い物が見つかるかもな。」

「ネージリンスといえばネージリッドの兄弟国だったな。エーヴァさんの故郷の。」

歴史の話になるが、ネージリンスはかつて大マゼラン、ネージリッド共和国がスターバースト現象によってその領土の大半を失った際に生き残った一部の人間が新天地を求めてマゼラニックストリームを突破し、小マゼランにて建国した国なのだ。

「そうだな。だが、ネージリンスの人間は金にがめついらしいぞ。あの業者やクー・クーの婆さんみたいにな。」

ネージリンスには全ての判断基準に金を用いるという特異な文化がある。感謝の気持ちを金額で表現するのだ。他の国の人間にはいい顔をされないらしいが。

「おいおい………先が思いやられるな。ネージリンスを出る頃には身ぐるみ剥がされるかもしれんぞ。」

「お前も金の扱いには注意しろよ。」

「ハハハ、違いない。」

そうして笑い合う白野とゲイケットであった。

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バウンゼィ ブリッジ

その頃、最大船速で飛ばしていたバウンゼィは遂ににっくきヴァナージの熱圏を突破していた。

「ヴァナージの熱圏、突破しました!」

「よおし!装甲板の被害は?」

オペレーターはモニターに表示されている数値を確認して報告する。

「………第一装甲板はほとんど持ってかれましたが第二装甲板は健在です。」

「チッ!やってくれるぜ、ヴァナージ
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