『東方晟成』 B
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て、許されるモンじゃあねェだろッ?」
「簡単な答えだ。『その警察自体が機能していない』からだ」
「はぁ?」
「学園都市は外(こちら)とは治安体制が変わっているのだ。警察のような組織はあるにはあるが、拭えているのは表面のみ……内部までは行き届いていないのだ」
「……じゃあ、アンタ等は何でそんな事知ってんだ? それに、知ってんなら何で外(こっち)の警察に伝えねェッ!」
「返答は一つずつしよう……まず一つ目の質問だが、それは学園都市に我々SPW財団のスパイがいるからだ。時間はかかったが、現在我々はかなり学園都市の深淵まで近づいている。そして二つ目の質問だが……外(こっち)の警察組織では手におえる相手ではないから伝えていない」
「手におえないって、何で?」
「『それよりさらに上の組織』が学園都市に加担しているからだ。警察組織の権力では、もはや立ち向かえる相手ではなくなっている……それほど学園都市には巨大な力があるのだ……」
「…………」
晟成は男の話を聞いた後、壁から離れ元の机の場所に戻った。まだいくつか疑問はあるが、この男達が嘘を言っているとは思えなかった。
「……アンタ等の話、『ひとまず信じる』。だけど、アンタ等が本当に俺の味方っつンなら、何で俺を『学園都市に転校』させようとする?」
「木を隠すなら森の中……学園都市(やつら)から君を守るには、あえて学園都市(やつら)の懐に君を置いたほうが守りやすいのだ。もちろん、君を学園都市(やつら)の手に渡さない為に我々も尽力する……」
「……分かンねェ…何で俺の為にそこまでやる? いったい何故……?」
晟成はずっと思っていた疑問を尋ねた。
「簡単な答えだ……それは、『我々がSPW財団』だからだ」
当然のように男は答えた。晟成は男の目に何かキラリと光るものを見た。巨体の大男には似合わない、しかし何処か気持ちのいい爽やかなモノが感じられた。
「……答えになってねェスよ、それ……だが、『グレート』……! 分かった……アンタ等を『信じる』……!」
「…ありがとう…」
ガシィっと二人は握手する。ほんの数分の間に、二人の間には奇妙な友情が築かれていた。
「でもよ〜、転校つったって急にできるモンじゃあねェだろ?」
「安心したまえ、我々が何とかする。君は身支度だけしてくれればいい」
「ふゥ〜ん…………なァ、一つ『頼み』があんだけどよォ、いいか?」
「何だね?」
頭をポリポリとかいて、晟成は言った。
「頼まれている『依頼品』、全部直してからでいいか? 転校……」
「……フ、あぁ…構わないよ……」
それから暫くして、東方晟成は学園都市へ
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