『東方晟成』 B
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いていた。暫く沈黙が続いた後、男は晟成に質問した。
「東方晟成君。君は………『超能力者』だね?」
「ッ!」
心臓を握られたような感覚が晟成を襲った。いったいこの大男達がどのような理由で自分を訪ねてきたかは知らないが、一つだけ理解した。
「コイツ等は、自分の『能力』の事を知っている」のだと……
それからの晟成の行動は早かった。すぐに立ち上がると、机から離れ入り口近くの壁まで後退した。
「……何モンだ、アンタ等………いったい何が『目的』だァッ!」
晟成は男達に最大まで高めた警戒心を向ける。男達はそれをサラッと受け流す。
「…………今、君に対して言える確かな事は……我々は『君の敵ではない』という事だ…」
「………………」
晟成は警戒をゆるめない。男達の一挙一動に注意を払う。
「……我々SPW財団は、『医療の発展』と『自然動植物の保護』を目的とした組織だ。だが、それは表向き……我々財団の『真の目的』は、『君のような能力を持つ者』を保護することなのだ……」
「『保護』、だと…?」
「そうだ。先程、私は君に学園都市の真実を話したが、アレには続きがある……」
「?」
「学園都市は『科学的手術』によって超能力の発現を『研究』している場所だ。つまり………学園都市は『研究』という名目で『人体実験』を行っている……という事だ」
「ッ!? 」
人体実験……それは人として犯してはならない禁忌。そんなものが平気で行われているという事実に晟成は言葉を失った。
「……学園都市にいる『超能力者』は、全員学生だ。元々学園都市は『そういう所』だからね。学園都市では義務教育と同じ扱いで全員が「カリキュラム」と呼ばれる能力開発を受けている。脳に電気ショックを与えたり、薬物を投薬することで能力が発現する…らしい」
「……信じらんねェよ。薬飲んだだけで超能力者になるなんて…」
「もちろん、全員が『そう』という訳ではない。『超能力者』と呼ばれるほどの力を持っているのは、『七人』しかいないらしい。」
男は湯呑みに残ったお茶を全て飲み干し、話を続けた。
「………そして、先程言った通り学園都市は『超能力の開発』という名目で、非人道的な実験を行っている。脳に電気ショックなんて『やさしい』ものなんかじゃあない……中には吐き気をもよおす、心がドス黒い気分になる実験(もの)まである……」
晟成は言葉が出なかった。世界各国の支援を受けて、最先端技術を生み出している場所が『そんな所』だった事に信じられないでいた。
「……仮に、本当に学園都市がそんな所なら、何で警察が動かねぇ? いくら最先端の技術を開発している所っつったっ
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