『東方晟成』 B
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あった。彼女はニタニタとしながら生徒達を見る。その顔は「私だけはその事しってますよ」と言っているような顔だった。
「コホン……シャイで恥ずかしがり屋さんな東方ちゃんに代わって、先生が説明するのです♪ 」
「いや、別に恥ずかしくは……」
「実はですね〜、東方ちゃんは家庭の事情で転校してきた訳ではないのですよ〜」
「聞いてねェし……」
小萌はまるで自分の事のように、自慢そうに答えた。
「なんとですね〜…………東方ちゃんは、あのッ! 「学園都市第七位」に次ぐ、「世界で二番目に大きい『原石』」として転校してきたのですよ〜♪ 」
「「「えええェェえェえェェええええええええええええええええええええッ!!!!」」」
その日、とある高校で「声の振動」だけで校舎が揺れるという現象が起きたとか、起こらなかったとか……
六月二十日 宮城県 仙台市
「はぁッ!? 『学園都市』ィ!? いきなり何訳分かンない事言ってんスか、アンタ等ァ!」
夜遅くに突如訪ねてきた身元不明の謎の大男が、「突然だが転校してくれ」と頼んできたらどうするか?
普通は「イカレているのか?」と聞き返すだろう。晟成もそうした。
「そもそもッ! アンタ等があの『SPW財団』の人間つぅのは分かった……けどよ〜〜、俺にそんなお偉いさんに知り合いなんていねェ。初めて合ったばかりの人間に、何で「転校しろ」なんて言われなきゃあならねェんだッ!」
「………言った筈だ。「我々は君を探し続けていた」と……」
晟成が声を上げ問いただしている一方、男は平然としながら答えた。
「東方晟成君……君は学園都市が『どんな所』か知っているかね?」
質問を質問で返してきた男に、何か言ってやろうと思った晟成であったが、話が進まないと思い男の質問に答えた。
「……科学が『世界で一番』発達している所だろ? 『外(ここ)』より数十年技術が進んでいて、いろんな研究が行われている場所……だっけか?」
「フム、それは一般的な解答だな……」
ズズ…とお茶を口に含み、喉をならして飲み干した後、男は続けて言った。
「学園都市は……最先端の科学によって、『超能力』を開発することを目的としたサイバーシティなのだ……」
「ッ!?」
『超能力』という単語に晟成は反応した。男は言葉を続ける。
「人間の脳には、『自分だけの現実(パーソナルリアリティ)』なる機能が存在するらしい。学園都市は、その機能を科学的手術で開花させ、『超能力』を発現させているらしい……それが、『学園都市の真の顔』だ」
「…………」
晟成は男の話を静かに聞
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