八話
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(まあ運がよかったんじゃねえか? それに強くなった方がいいんだろ?)
『まあね、でも多分だけれどもっともっと強くならないと、アイツには勝てないと思うわ』
(そこまでか、まあ幸いまだ黄巾の乱が起こってないんだろ?)
『ええ、大体あと五年後ってとこかしら』
(あと五年もあるのか、それは長いな……)
『なんか今の貴方の言葉、残り五年が長いには聞こえなかったんだけど?』
(気のせいだ、きっと十話には五年後になってるよ)
『あ、やっぱりそっちの意味だったのね!? ダメでしょそういうメタな話をす――』
「戻ったぞ柏也」
ナイスタイミングでジジイが来たので、照姫との念話を切りジジイの方を向く。
「おー、ジジイか。それで、どうだったんだ?」
「どうやら飢餓がひどいらしくての、村長は死んでおった」
「じゃあどうするんだよ? 村に制限がなかったら賊の連中が来た時、やりたい放題になるぞ?」
「それは分かっておる、じゃから儂が村長をやろうと思っての」
「ああ、それならこの村も絶対安泰だ――ってジジイが村長やるだと!?」
「そうじゃ、村の者は皆弱っておるし、他に方法もなかろう」
「そうだとしても外から来たような奴を村長になんてするか普通?」
「そこは信用問題じゃよ」
俺が必死に反対してもジジイは折れず、またジジイの頑固さもこの五年で把握していたので、俺が渋々折れることになった。
「ほれ、今から村の食料を調達しにいくぞ」
大鎚を担ぎ森へ歩いていくジジイにため息を吐き、俺もゆっくりと後を追っていった。
◆
「なるほど、道理で村人がこの森に手が出せんわけじゃ」
森に入って少し奥に来た時、ジジイが呟くようにそういった。
「なにか他の森と違うことでもあるのか? 俺には普通の森にしか見えないが」
「お主の森の基準が間違っておるのじゃよ、お主が住んでおった森基準じゃろ?」
そりゃそうだ、俺は五年もそこに住んでいたんだからな。
それがどうかしたかと問うと、ジジイはやれやれとでもいいたげに首を振った。
「あの森は動物達の殺気が強く、どいつも他の森より強いといったことがあるじゃろう」
「確かにそれは聞いたが、もしかしてここにいる奴等も強いのか?」
「そういうことじゃ、まああの森よりはマシじゃがのう」
へー、と相槌をうち、なにか食えるものがないかと森を探索していく。
「お、あの草いけるんじゃね?」
木の下に生えていた草を発見し、ジジイに渡す。
「ふむ……。これはダメじゃ、毒があるわい」
しばし草を吟味していたジジイが草を捨て、また歩き出した。
おかしいな、こ
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