譲渡
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
変身するようになってから気づいたのだが、超人じみた力を発揮出来るようになったんだ。自分の力に気付かずに我が愛しの妹のぬいぐるみを引き千切ってしまい、慌ててウルトラマンの力を使って修復したのは良い思い出だ。うん、力の無駄遣いだな。
そして我が愛しの妹とは、高町なのは。物語の主人公だ。オレはなのはの双子の兄をやっている。オレの名前は光、高町光。
今日も元気な妹の面倒を見ながら地球の平和の為、経験値稼ぎの為に戦ってます。厄介な事に怪獣は一度に別々の場所に出現したりするので結構忙しかったりします。
完全に予想外だった。病室のベッドの上には既に体温が失われつつある父さんが、高町士郎が寝かされている。いや、はっきり言ってしまおう。オレたちが到着するまでに死亡が確認された。海外に仕事に出かけていた父さんが帰国した際、バードンが空港を襲い、それに巻き込まれたのだ。オレはその頃、青森に現れていたガンQと戦っていた為に空港に駆けつける事が出来ず、GUYS JAPANも長崎に出現していたアーストロンと交戦していた為にバードンは暴れ続けた。GUYS OCEANが緊急で援護に来てくれていたが、オレがこちらに急行したときには既にバードンは中国の方に飛んでいき、父さんは生死の狭間を彷徨い、二日経った今日死亡が確認された。
これも邪神の罠なのかと悩みながらオレは病院の屋上から空を眺めている。最初の宣言通り、予備の命は3つある。その内の1つを分け与えれば父さんは蘇る。だが、邪神がこの先どんな罠を仕掛けているかわからない以上出来る限りストックしておきたい。だけど
「考えるまでもないよな。今、助けにいきます」
左腕にメビウスブレスを呼び出し、ウルトラマンメビウスに変身し、宇宙まで光の玉の形態で飛ぶ。月の裏側まで飛んだところでテレパシーを使い、この世から消えつつある父さんの魂に呼びかける。ここからは演技をする必要がある。心苦しいが仕方ない。
『高町士郎よ』
『君は、誰だ』
『私は君たち地球人がウルトラマンと呼ぶ一族の一人だ』
『僕に何の用があるんだ』
『君に時が来るまでとある人物を守って貰いたいのだ』
『守る?一体誰を守るんだ』
『高町光、君の息子だ』
『光を?なぜだ』
『時が来れば何れ分かる。それまで、君に私の力と命を貸し与えたい』
『……僕は、死んだのかい』
『バードンに襲われた怪我が原因だ。今も傍で家族が泣いている』
『そうか。僕は、僕はまだ生きたい。力を貸してくれ』
『分かった。では約束通りその日が来るまで、必ず光を守ってくれ』
オレは父さんに予備の命の1つとメビウスの力を譲渡する。同時にテレパシーを切り、ウルトラマンジャックに変身する。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ