バト・・・る?
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人々を守る者。」
睡蓮の聖句が響く。
「焼き尽くせ、金剛杵!」
沙穂の権能の方が、一瞬早く完成した。彼女の【金剛杵】は、その媒体となった右目のレーザーに影響されたのか、雷でありながらも光の速度で走る攻撃である。その為、必中。放たれた瞬間には当たっている。そういう攻撃なのだ。
・・・が、今回ばかりは相手が悪かった。
なにせ、睡蓮は、沙穂にとって鬼門。彼女の天敵と言ってもいい権能を持っているのだから。
「罪なき人々を苦しめる者に、神の裁きを!」
既に放たれた筈の【金剛杵】の雷撃が、鈴蘭に当たる寸前で九十度曲がった。その先には、聖句を唱え終わった睡蓮の姿。
ゴッ・・・・・・!!!
凄まじい音が、周囲に響く。鈴蘭はあまりの大音量に耳を塞ぐも、睡蓮のことを心配している様子は全くと言って無かった。
「攻撃が・・・曲がった、であります・・・・・・?」
事態に追いつけていない沙穂は呆然とし、自分の意思とは無関係に曲がった攻撃を受けた化物へと視線を向ける。
「・・・・・・。」
煙が晴れたとき、そこには怪我などした様子もない睡蓮が存在していた。
しかし、その姿は、先ほどまでとは違う。
身体も。服も。髪の毛の一本に至るまで、全てが光の粒子で構成されていた。神々しいまでの存在感を持って佇む彼女は、正に天使と言える。ここに画家などがいたら、涙を流して一心不乱にその姿を永遠に残そうと絵を描きだしただろう。それほどまでの美しさであった。
「残念。沙穂ちゃんと睡蓮は、相性最悪。それも分からなかったってことは、やっぱり正気を失っているってことだろうねぇ。」
少し考える素振りを見せた鈴蘭だが、すぐに思考を打ち切ると、睡蓮に叫んだ。
「じゃぁ、少し厳しいお仕置き、やっちまいなー!」
「・・・・・・。」
それに返事をすることもなく、睡蓮は動いた。
パリッ!っという軽い音がしたかと思うと、その姿は既に沙穂の目の前。なんと、炎獄の炎の中に出現していた。
普通なら、一秒でもいたら燃え尽きる筈なのだが、そんなことを気にしていない。そのまま彼女は、【金剛杵】の影響で身体中ボロボロな沙穂に向けて、ユックリと手を伸ばした。
「・・・っ!」
沙穂は動けない。ほんの少しでも身体を動かせば、炎獄に当たってしまうから。”今月今夜”を振るうことすら出来ない。【無限なるもの】によって呪力の心配などする必要もない鈴蘭は、本気の本気で炎獄を使用していた。有り余る呪力による、圧倒的な力押し。今や炎獄の炎は、神器ですら容易く燃やし尽くすまでの暴虐性
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