バト・・・る?
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穂は思考をカットした。咄嗟に横に転がると、今まで彼女がいた場所に睡蓮が薙刀を持って飛びかかって来ていた。
「ナーイス睡蓮。」
だが、避けられたからといって喜ぶことは出来ない。そもそも、睡蓮は叫ぶ必要など無かったのだ。短い間とはいえ、自らの足場が崩れた原因を考えてしまっていた沙穂は、睡蓮の叫び声が無ければ避けることは出来なかっただろう。・・・いや、カンピオーネ特有の動物的な超直感によってギリギリ避けることも出来たかもしれないが、それでも完全には不可能だった筈である。
・・・では、何故睡蓮は自分の攻撃を教えるような真似をしたのか?
「今の沙穂ちゃんと真面目に戦うなんて、真っ平御免だよ!!!」
避けれたのではない。避けらされたのだ。
もし今の攻撃が上手くいったとしても、ただの一撃で行動不能になるような沙穂ではない。寧ろ、中途半端に傷を与えてしまったほうが面倒くさくなる生き物なのだ、カンピオーネという生物は。
なら、どうするか?
「我は万物の父であり母である。この世の全ては我に由来し、我が支配出来ない者など存在しない。我は至高の存在也!」
「ちょっと大人しくしててね!!!」
睡蓮の攻撃を避けて、地面に着地するその寸前。絶対に避けられないそのタイミングで、鈴蘭の攻撃が炸裂した。
「炎獄、舞え!」
神を殺す。ただそれだけの為に遥かな昔から続いてきた、神殺し四家最強の名古屋河家。”生きる神器”とまで評されたこの名古屋河家が受け継いできた奥義が、今炸裂した。
「な、熱いであります!!!」
魂まで燃やし尽くすかのような地獄の炎。それが、沙穂を取り囲むように展開されたのだ。触れればその瞬間、骨すら残さず灰になってしまうようなその業火に、流石の沙穂も動きを止めざるを得ない。
「ふぅ・・・。これで・・・。」
しかし。
それは、沙穂が通常の状態だった場合の話であり。
「姉上!まだ油断されては!!」
気を抜くには、まだ早かった。
「頭を垂れよ、我は力の化身也。幾千幾万の敵を薙ぎ払い、悪を滅ぼす者也。」
「嘘!?」
諸刃の剣。勝っても負けても不利益しか出さないこの戦いで、自分の命を危険に晒してまで【金剛杵】を使ってくるとは思っていなかった鈴蘭。
残念ながら、今の沙穂には常識が通用しない。鈴蘭たちが化物に見えている上に、【修羅の刻】の影響で、勝利の為には命すら必要ないと思っている彼女には。
だが。
この場合、不運なのは油断した鈴蘭の方ではなく、睡蓮が化物に見えていた沙穂の方であった。
何故なら。
「我は守る者。轟き唸る神鳴りより、無垢な
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