バト・・・る?
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の戦闘行為を禁止していたというのに、自分の仲間が率先して人を襲ったというのが、頭の痛い問題なのだ。幸いにして狙われた人間は無事なようだが、もし死んでいたりしたら、沙穂にはもっとキツイお仕置きをしなければならなくなっていた。場合によっては、死よりもツライ(精神的に)お仕置きが待っていただろう。
模擬戦や、遊びで戦うなら兎も角、今の沙穂には手加減などという言葉は欠片も残っていないだろう。こんな訳のわからない所で、仲間を殺すなどという事態にだけはしたくない。
「最初から本気で行くよ睡蓮。沙穂ちゃんは私たちの中でも特に頑丈。生命力も高いし、半端な攻撃は逆に彼女を追い詰めちゃって危険だからね。殺さなければ、何をやっても大丈夫。」
中々に過激なセリフだが、沙穂の生存能力が仲間内で一番高いのは本当なのだ。例え腕がもがれても足がもがれても、まつろわぬ阿修羅戦の時のように新しい手足を作って、装着してしまえば何の問題もない。カンピオーネでありながら機械人間という、歴史上初の存在である彼女は、身体に装着された機械を自分の肉体として再構成するというパンドラですら予想しなかった特性を身につけた。正直、これ自体が既に権能のような能力である。どれだけボロボロにされようとも、生きてさえいるのなら治すことができる。なにせ、【伊織魔殺商会】には、ドクターとリッチ、鈴蘭がいるのだから。
だから、遠慮はいらないと。その言葉に、睡蓮も頷いた。
「では、行きます。」
その睡蓮の言葉が引き金になったのだろう。三人は、瞬時に動き出した。
「あ、ハハハ!!!」
瞳孔が開きっぱなしになっている沙穂は、自分に向かってくる獲物に向かって踏み込んだ。・・・が、
「あ、え!?」
ビシッ!バガン!!!
拉げるような激しい音と共に、彼女は階下に転落する。突然のことに、援護のタイミングを図っていた鈴蘭も、突撃しようとしていた睡蓮も、動きを止めざるを得なかった。
「ど、どうしてでありますか!?」
流石というべきか、猫のような身軽さで体制を立て直した沙穂は、両手を付いて着地した。しかし、なぜ急に床が抜けてしまったのかがわからず、混乱していた。
彼女は剣士である。剣士というのは、間合いと踏み込みを何よりも大事にする。たった一歩の目測の誤りが、自らの命を奪うことだって有り得るし、今のように踏み込んでいる最中に床が抜けるなどという自体になったら、最悪の場合、自らの刃で自分を傷つける事になりかねないのだ。
彼女がまつろわぬ阿修羅から簒奪した権能【修羅の刻】は、自身の身体能力と再生能力を極限まで高め、死からの蘇生能力・・
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ