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イーゴリ公
第三幕その三
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ウラジミールは遂に天を仰いだ。そうして呟くのだった。
「だが。私はどうすればいいのだ」
「来るのだ!」
「行かないで下さい!」
 父と恋人の声は共に彼を誘う。彼はどちらにすればよいのかわからなくなっていた。その中で散り散りに心が引き裂かれどうしようもなくなっていた。

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