五話
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久々にこの森に来たが、やはりここの生き物は皆強いのう。
狼共はこの森では何故か個体のものが多く、凶暴性が他の狼と比べ格段にひどくなっておる。他の生き物も大抵そうじゃ。
儂ももう老い先短いこの体じゃ、少しばかりキツイかもしれん。しかし息子のため、アレを探しにいくとしようかの。
じゃがしかし、アレを手に入れたところで扱えるものがおらんからのう。
どこかにおればいいんじゃがな、両の腕に重い刀剣を持ち、疲れを知らずに振り回すことのできる人物が……
◇
照姫がいうに(俺は正確な日数をもう覚えていない)あれから五年、俺は修行をかかすことなく行い、狼程度なら二匹、三匹いてもなんなく倒せるようになっていた。
ま、それも多分照姫のおかげなんだろうな。
俺がそう思った理由は、五年もの間孤独で修行と狩りしかせず黙々と生き延びていたのなら、俺はその時人間でいられなかったのではないかという、まあ危惧というか、一つの危機感が頭の中をよぎったからである。
俺一人だったら孤独で自殺してたかもしれないし。
その辺を考えると俺はすごく照姫に助けてもらっているのだろう。まあ照姫はそんなこと微塵も考えてないだろうが。
『柏也ー』
そんなことを考えていれば当の本人が来たようだ。俺は鍛錬をやめ、ゆっくりくつろぐことができる木の上に登り、意識を念話に集中することにした。
(よー、今回はなんか進展あったか?)
『ええ、アイツの考えていることがやっと判明したわ』
照姫が嬉しそうな声になっているので、かなりの話だろう。ちなみにアイツとは反乱分子のことで、照姫が念話を送ってくる度こうして情報を教えてもらっているのである。
(てことは俺もそろそろ行動を始めなきゃいけないのか)
『そういうことになるわね』
(了解。それで、判明したことってなんなんだ?)
『それがね、実はアイツ、この大陸を統一しようとしてたらしいのよ!』
(ん? なんでそんなことをするんだよ?)
照姫のいったことに、俺は頭にはてなマークを浮かべながら聞き返した。
『それは分からないわ。けど今アイツは自分で行動することができないみたいよ』
(なるほど……だがなにもしてないわけじゃないんだろ?)
『その通りよ、駒を作ろうとしているみたい。自分で動けないなら誰かに動いてもらおうってわけね』
(それなら今が狙い時じゃないか? どこにいるんだ、そのアイツってのは)
そういって立ち上がった俺に、照姫はいつぞやの土下座念力をかましてきやがった。
『確か五胡の民族達のところなんだけどね、今はまだやめておいたほうがいいわ』
(……なんでだよ?)
俺は必死に抵抗しているが、
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