第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第32話:頼りになるトラブルメーカー
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(ソレッタ王国)
マーニャSIDE
私は愕然とした……
何に愕然としたかと言うと、それはこのド田舎加減にだ。
ここはソレッタ王国の首都……ソレッタ。
見渡す限りの農村地帯。
ダメだ……私はここでは暮らせない!
刺激が少なすぎるわ……
カジノとは言わないまでも、酒場の一つも存在しないと、生きる楽しみを見出せない!
どんどんと村内へ進んで行くウルフ達を余所に、長閑な農村風景の中で立ち尽くす私。
気付いたミネアが私に近付き、心配そうに尋ねてきた。
「どうしました姉さん?」
可愛い妹に心配を掛けてしまう姉……
恥ずかしい限りなのだが、まだダメージから回復しておらず、即座に返答することが出来なかった。
その所為で困惑するミネア……
「わぁ〜お、こんな田舎に美女発見! お嬢さん達ぃ〜、僕と仲良くベッドで汗かかなぁい!?」
すると何処からともなく男が現れ、チャラい口調で私達をナンパし始める。
不機嫌になりながら、声を掛けてくる男の方に向き直る……
そして私は驚愕した!
い、良い男……
凄く良い男だ!
こんな田舎で燻っていては勿体ないくらいの良い男だ!
あまりの良い男に思わず我を忘れていたが、軽い口調でナンパしてくる事に不安を感じ、慌てて表情を直しミネアを気遣うように見る。
だが、当のミネアはウットリとした顔でナンパ男を見詰めている!
いけない、妹は私が守らないと……俗世の悪害から、私が守り抜かないと!
「ちょ、ちょっと……何なのアンタ!? いきなり現れて失礼でしょ! この村の人間は、皆アンタみたいに失礼極まりないの!?」
「違うよ、僕はこの村の人間じゃないよ。僕も少し前にこの村にやってきたイケメン旅人だよ。イケメンだから失礼じゃないよ」
何を言っているんだコイツは?
村人ではないことは解ったが、イケメンだからってナンパする事が失礼な事ではない訳ではない!
何より、自分で自分の事を“イケメン”と言うんじゃない……まるでウルフみたいじゃないか!
……そう、まるでウルフの様!?
「二人ともそっくりだね……もしかして双子ちゃんかな?」
「は、はい……私と姉さんは双子なんですよ?」
こらー、勝手に答えるんじゃないミネア!
「そっか、僕の子供も双子してるんだけどね……兄と妹と性別が違って、性格はまるで似てないんだよ(笑) 顔は似てるんだけどね!」
「まぁ! 私と姉さんも、性格が正反対だと良く言われますわよ?」
だから勝手に答えるな!
……つか、子供が居んのかい!
妻子持ちがナンパなんてするんじゃねーよ!
「こらナンパ野郎! 妻子持ちが気安くナンパなんてしてんじゃねー! 大人しく家に帰って、嫁さん相手に腰を振ってろ!」
「え〜〜
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