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魔法少女リリカルなのは〜その者の行く末は…………〜
Chapter-2 Second Story~sorrowful and graceful……that occurrence~
number-16 She one's deterination
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た二本の木刀を真っ二つにして、恭也も吹き飛ばした。
「ぐはっ……」
真空波の勢いを相殺できるわけもなく、壁に叩きつけられた恭也。
幸い受け身を何とかとっていたため、全身の打撲で済んだ。しかし、全身が痛みを訴えている。今日一日は安静にしておいた方がいいだろう。
痛む体に鞭をうって自室へと戻って行った。
一方燐夜は、先ほどの技の代償をもらっていた。
一刀真空裂破は、極限まで脱力した状態から一気に全身に力を漲らせ、音の速さを超えて相手に斬りかかるという技なのである。
だが、今回は相手の動きに合わせて腕の身を動かした。ここまでは何ら問題はない。
しかし、燐夜はなのはの声に反応して音を超えた速さで恭也に襲い掛かる木刀を無理やり止めたのだ。その反動が来ないわけがない。
もはや、右腕はしばらく使えないかもしれない。右腕は悲鳴を上げて軋んでいる様にさえ思える。
全く力が入らない。
「燐夜君……」
「……如何したなのは。お兄ちゃんのもとへ行かないのか?」
なのはは、静かに首を横に振った。
そしてただ真っ直ぐに燐夜の瞳を見つめる。怯えでもなく、恐怖でもなく、明確なる決意を持った瞳で。
「今の試合を見て、燐夜君がどれくらい強いのか分かった……」
なのはが胸に手を当て、目を瞑り、一つ一つ言葉を紡いでいく。
不思議と自然に話を聞くことが出来た。普通、人の話を半分に聞いて、煙に撒いてしまうのが一番なのだが、なのはの決意のこもった声にそんな不遜な事はできなかった。
「今の私じゃあ、魔法の力があっても燐夜君の背中に追いつくことはできない。けど、いつか、いつかきっと燐夜君を守れるようになってみせるの!」
――――これがなのはの決意。
その小さな体に宿した大きな決意。今のなのはにとってはその決意は大きすぎるものだ。けど、けれども、それがなのはにとってはちょうどいいのかもしれない。
燐夜はそう思うと、口元に小さく笑みを浮かべた。
そして、なのはに言い放った。
「それはそれは。それなら俺もお前を守ってやるよ。この命にかけても、な」
「ふえっ!? そ、そそそ、そんなにいきなり言われても……」
――――困るよー。
顔を真っ赤に染めた後、小さな声でそう言った。
その後に、どこからともなく二人の間で笑いが起こった。
含みのある笑いではなく、ただ純粋な笑い、笑顔。ふたつ歳がはなれていても、心が一つだった。
◯
「燐夜ぁっ!!」
なのはと燐夜は、あの後道場から離れて翠屋に来ていた。
どうやら、あの時なのはと遭遇したのは、たまたま先に学校の荷物を部屋に置き、また翠屋に戻るところだったらしい。
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