第10話 人は守るものがあってこそ強くなるもの
[5/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が芽生えた。新八の時もそうだったが、何故か定春にも弱体化の傾向が見られないのだ。
元の世界のままの力で定春はフェイトに噛み付いている。見れば、フェイトの額からは血が流れ出していた。定春の顎がフェイトの額の皮を抉ったのだろう。
痛みが更に増し、それに伴ってフェイトの暴れっぷりも更にやばくなりだしていた。
「良いぞ定春! そのまま噛み砕くアル!」
「ちょっ、それって不味くない? この子そんな事したら色んなとこから苦情とか来ない?」
「心配ないアル! あの女きっと原作とかでも人気のないサブキャラネ。私の勘がそう告げてる筈アルよ」
「ほ、本当かなぁ?」
分かる人なら分かると思うが思いっきり外れである。とにもかくにも、このままだとあのフェイトとか言う少女は出血多量か最悪は定春に頭蓋を砕かれてしまうだろう。このまま傍観すべきだろう。そう思えた。
「其処までだ定春。そいつを放せ!」
だが、それを銀時が止める。それに新八も神楽も驚いていた。今まで自分を苦しめていた相手を助けようとしているのだから。
普段は言う事を聞かない定春も今回ばかりは銀時の言う通りにし、さっきまで咥えていたフェイトを吐き出す。
未だに頭に痛みを感じるのか、フェイトは頭を抑えながら立ち上がれず、そのまま銀時を睨んだ。
ぐっと、銀時がフェイトの胸倉を掴み上げる。その目は正に真剣そのものだった。
「答えろ、お前は何でなのはを誘拐した? そして、なのはは今何処に居るんだ?」
「……」
銀時の問いかけにフェイトは黙り込んだ。何が何でも答えない腹積もりだったのだ。だが、元々ドSな銀さんにそんな戦法が通用する筈がない。返って銀さんのS心に火を点けるだけであった。
「お〜い、定春〜。こいつ噛み砕いて良いぞ〜」
「!!!」
間延びした声で銀時が定春を呼んだ。それに対しフェイトの肩が大きく震える。今度また噛まれたら確実に頭蓋を噛み砕かれてしまうのは目の見えている。
が、その定春と言えばフェイトの事などガン無視して、あろう事か銀時に飛びかかってきたのだ。
「んごわぁ! 何やってんだてめぇ! 俺じゃねぇ。そいつを噛めって言ってるだろう……」
言い終わる前に定春の大きな口が銀時の頭を丸々と飲み込んでしまった。と、言うか銀時の肩辺りまで既に飲み込まれており、更にその口内では物凄く聞きたくない音が響いてくる。
どうやら、先ほど定春が銀時の言う事を聞いたみたいな感じがしたが、別にそうではなかったようだ。恐らく単にフェイトが不味かったのだろうと思われる。定春も案外甘党のようだ。
「い、今の内に……」
今ならば問題なく逃げられる。肝心の銀時は定春に飲み込まれているし、新八と神楽もそれの対応に手一杯なようだ。皆フェイトの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ