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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
チートドラゴン物語・四
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な根拠があっての事であるのになぜ自分で自分の寿命を縮めるような真似をしているのやら。
で、最後にアルフ。人型になれるのだからせめて人間の食事をしなさい。私に聞かせてくれた狼の誇りとはなんだったんですか。
とまぁこんな感じに壊滅状態だったわけで、世話焼き気質のリニスは全員分の食事を1日3食きっちり作って無理やり食べさせることを決意した。結果は見ての通り、完全にリニスがヒエラルキーの頂点に立っている。これではどちらが主人なのか分かったものではない。多分自分が本来ここにいるべきではない存在であることを完全に忘れていると思われる。
そしてそんなリニスの背中を眺めながら、フェイトは不思議な気分になっていた。
自分がいて、アルフがいて、リニスがいて、プレシアがいて、そして全員で食卓を囲っている。プレシアはご飯がおいしいと喜び、リニスはアルフにテーブルマナーが悪いと叱り、それを見ながら自分もクスリと笑ってしまう。そんな何処にでもありそうなしかし今まで決して叶わなかった光景が、目の前で起こっている。現実で起きているはずなのに、現実味が薄いと思える幸せな光景。
ふと、実はこれは夢なんじゃないかと考える。それで目が覚めたらアルフはいつも通りドッグフードを齧り、自分は延々とジュエルシードを捜し、プレシアはいつも通り怖い顔をしていて、そしてリニスは何処にもいないのではないか。それを考えるとまるで自分の立つ床が無くなるような恐怖に見舞われた。
でも、次の日もリニスはいた。次の日もプレシアは自分を叱らずに笑顔を見せてくれた。
そうしてフェイトはようやくこれが夢ではないことを自覚することが出来た。
あり得るようであり得なかった生活がある。自分の求めてやまなかった日常が目の前にある。まるで今までのすべてが悪い夢で、こっちが現実だったんだよと優しく囁かれているような気がした。それがどうしようもなく嬉しくて、安心した。これが幸せなのだと納得した。
「・・・フェイト!?」
「・・・・・・あ、れ」
気が付けば自分の手の甲に水滴が落ちていた。どこから、と思った瞬間にプレシアがハンカチで自分の顔を吹き、それで初めて自分の目から涙が零れ落ちたことに気付く。
「おかしいなぁ。すごく幸せなはずなのに・・・どうして涙が止まらないの?」
「・・・止めなくてもいいのですよ。流した方がいいです」
気が付けばリニスが優しく自分の頭を撫でていた。昔のように優しい笑顔で。
それから、フェイトは今までの人生でずっと溜め続けてきた悲しみを全て流しきるかのように、ずっと泣き続けた。その涙を溜めさせた張本人であることを自覚しているプレシアは、その後も研究を中断してずっとフェイトの涙を拭いてあげた。
まだまだ足りないものも伝えきれていないことも多い二人だが
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