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少年は魔人になるようです
第21話 魔人は周囲を増やすようです
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…。ほら、俺って…不老不死、じゃん?」

「あ、うむ。それは心得ておるが…。」

「その、やっぱり、アリカは俺より死んじゃう訳で……。

だから……、好きな人が死ぬって考えたら、さ。どうしようか、と思う訳で……。」


俺にとっては、一番深刻な問題。

妻となった者が、先に死ぬ・・・。そんなのは、耐えられない。


「だから、せめて不老不死になって貰わないと―――」

「……プッ……く、クフフフ……。」

「……何故笑うか!?俺にとっては……。」

「ああ、分かっておる…。フフフ……。

何じゃ、私の考えはとんだ間違いじゃったのか……。フフフ、馬鹿みたいじゃな……。」


え、えーと・・・・一体、何の話をしているんだ?


「シュウマ。私を、不老不死にしてくれ……。」

「え、………本当に、良いのか………?不老不死ってのは―――」

「ああ、分かっておる……いや、知ってはいる。

正直、大切な者の死と言うのが良く分からん……。父様と母様の死は、普通では無かったしな……。」


まぁ、クーデターによる爆死(or炎上死)なんて、普通じゃねぇしな・・・・・。


「じゃから、シュウマが感じた死の重さは、分からん。

じゃが、人の死の重さは、分かっている……。

それが、主と共に居る代償だと言うのならば、安いモノじゃ……。だから、頼む……。」

「分かった。えーと………ああ、あった。

これを飲めば、肉体の老化(せいちょう)が止まって、不老不死になれる。」


薬箱から黒い丸薬を出して、アリカに渡す。


「す、凄い物を軽く扱うのじゃな………。」

「いや、不老不死になるだけだから、そんなに凄くないぞ?」

「む?不老不死と言ったら、吸血鬼と同じ能力ではないか。その能力が何故強くないのじゃ?」


ああ、勘違いしてんのか。


「いいか、アリカ。

『不老不死』と言うのは、肉体が年齢を重ねなくなった結果、死ななくなると言うモノだ。

吸血鬼が持っているのは、これに加えて『高速再生』と言われる能力だ。

吸血鬼は体全部で一つの生命体になっているから、体が二つに裂けようが再生するんだ。

『不死身』とはまた違うんだ……って、着いて来れる?」

「ああ、問題無い。」


アリカって、やっぱり頭いいな。どっかの鳥頭に授業するより億倍楽だ。


「そっか。んで、詳しい説明しようか?」

「いや、よい。今は義姉君を助けに行かんと。」

「ああ、そっちなら大丈夫だぞ?だって―――」

――ドォォォォォォンンン!!!

「あいつ等が来たからな。」


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