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我が剣は愛する者の為に
黒幕
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にそんな根性はないよ。
 さて、まずはどいつから・・・」

どうやら胡蝶は拷問をするという意見で話を進めようとしている。
確かに有効かもしれないが、あまりそういうのは俺は好きではない。
彼らは罪を犯したが、拷問と言う苦しみを味わせようとまでは思わない。
甘いかもしれないが。
ともかく俺は胡蝶を止めようと言葉を掛けようとして。
ポタッ、と小さくだが水が落ちる音が聞こえた。
音の方に視線を向ける。
水が落ちる音ではなかった。
賊の口の端から血が溢れ、それが頬を伝い地面に落ちたのだ。
一人ではない。
四人とも全員が同じように口の端からを流していた。

(まさか!?)

急いで駆け寄り、一人の賊の口を開けると、口の中には血が溜まっていてその中には歯で噛み切った舌があった。
他の三人を確かめるが、同じように舌を噛み切っている。
自害した。

「本当に自害するなんてね。」

「どうなってやがる・・・・」

不可解すぎる。
本来、賊になるのは飢えなどの死を恐れて、生を渇望した結果の一つだ。
なのにこいつらは簡単に命を捨てたのだ。
何がどうなっているのかさっぱり分からない。

「謎は残りましたがこのままここに居ても意味がない。
 する事をしたら、部隊を整え、街に戻ろう。」

「・・・・・・分かった。」

雲流の言うとおり。
死人に口なし。
どれだけ彼らを問い詰めても、もう意味がない。
ある程度村人たちを治療し、雲流は村を再建させるために人を寄越すと村人に約束して、俺達は村を後にした。





「よくやってくれた!
 少しの間だが、賊は現れる事はないだろう。」

街に戻った時には夕方になっていた。
賊を討伐したと言う報告を聞いた苑意は大層嬉しそうな顔を浮かべ、今夜は宴会をあげようといいだした。
玉座の間には長いテーブルが置いてあり、豪勢な量が大量に並べられていた。

「明日にはお主達も曹操の元にも戻る。
 これはせめてもの礼を思ってくれ。」

そう言って俺達よりも早く苑意は食事に手をつける。
相当腹が減っていたようで、下手をすれば俺達に労いの言葉を投げかけるもの億劫だったかもしれない。
いただきます、と合掌し近くになる料理を皿に移して、一口分、口に運ぶ。
確かに美味い。
美味いのだが・・・・

(おそらく貧民街では・・・・)

これも彼らが必死に働いて献上した物が含まれているかもしれない。
俺は箸を置いて、席を立つ。

「うん?どぉうしたぁのだ?」

食べ物を口に含めたまま苑意は尋ねてくる。

「いえ、食欲があまりないので。
 これで失礼させてもらいます。」

返事を聞かずに玉座の間を出て、複数の兵士を集める。
ある事を調べるよう
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