暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
陰謀と計略
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膝を地についていた俺は、レンの胸ぐらにあった手を思い切り地面に叩きつけた。不快な衝撃が手に走り、紫色のウインドウが視界に浮かぶ。

俺のその姿を、レンはつまらなそうな表情で静かに見下ろしていた。

何も感じていないかのように。

何も思っていないかのように。

《無》感情に

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

言った。

呼吸が、止まった。

物理的に、目の前の少年の大きすぎる狂気に。呑まれてしまった。

ぞわり、と背筋が凍った。

「な、んだよ。そりゃ……」

絶句する俺の前で、レンは静かに立ち上がった。

話は終わりだ、と言わんばかりに。

「マイは世界樹の上にいる。僕は迎えに行くまで、あちらには帰らない」

「…………ッ!なんで、上にいるなんて分かるんだ!!」

()()からだよ。この目でね」

謎の言葉に、俺は思わず眉をひそめた。世界樹の上は、エギルに聞いた話では行けなかったはず。

いや、行けた者はいる。しかも、つい最近。

「まさか、世界樹の上に行ったって言うプレイヤーっつーのは………」

「へぇ、知ってたんだ。その通り。僕は世界樹の外周から上にまで言ったんだよ。そして、見つけた」

そこまで言って、レンは顔をくしゃりと歪めた。まるで、耐え切れないものがあるかのように。

「冷たい鳥籠に囲まれた、マイとアスナねーちゃんをね」

「………そう、か」

なんとなく分かったような気がした。

ようするに、この少年は不器用なのだ。愛した者のためならば、何だってする。そんな、壊れやすい薄氷のような、柔らかいココロ。

それは決して許されるような物ではないけれど、しかし同時に、罰せられるような物でもない。

「わかった、レン。ひとまずその事については、もう俺は何も言わない。ただ一つだけ聞いていいか?」

「なに?」

黙って小首を傾げるレンに、俺は気になっていたことを質問する。

「さっきの戦闘で、お前は誰と戦ってたんだ?」

先程の戦闘の様子を思い出し、今更ながら背筋が凍る。

《空間》がぶった切られるなど、どんな戦い方をすればあのような状態になるのだ。その他にも数々の戦闘の爪跡が残っていたし。

俺のその問いに、紅衣の少年はさも何でもないように、一切の気負いなくさらりと答えた。

「あぁ、テオドラねーちゃん」

俺はもう一度、絶句せざるをえなかった。

テオドラといえば、あの体術のスペシャリストと言われた《柔拳王》テオドラのことだろう。しか
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