暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
陰謀と計略
[2/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
膝を地についていた俺は、レンの胸ぐらにあった手を思い切り地面に叩きつけた。不快な衝撃が手に走り、紫色のウインドウが視界に浮かぶ。
俺のその姿を、レンはつまらなそうな表情で静かに見下ろしていた。
何も感じていないかのように。
何も思っていないかのように。
《無》感情に
「
マ
(
・
)
イ
(
・
)
の
(
・
)
命
(
・
)
よ
(
・
)
り
(
・
)
大
(
・
)
事
(
・
)
な
(
・
)
こ
(
・
)
と
(
・
)
な
(
・
)
ん
(
・
)
て
(
・
)
な
(
・
)
い
(
・
)
で
(
・
)
し
(
・
)
ょ
(
・
)
?」
言った。
呼吸が、止まった。
物理的に、目の前の少年の大きすぎる狂気に。呑まれてしまった。
ぞわり、と背筋が凍った。
「な、んだよ。そりゃ……」
絶句する俺の前で、レンは静かに立ち上がった。
話は終わりだ、と言わんばかりに。
「マイは世界樹の上にいる。僕は迎えに行くまで、あちらには帰らない」
「…………ッ!なんで、上にいるなんて分かるんだ!!」
「
見
(
・
)
た
(
・
)
からだよ。この目でね」
謎の言葉に、俺は思わず眉をひそめた。世界樹の上は、エギルに聞いた話では行けなかったはず。
いや、行けた者はいる。しかも、つい最近。
「まさか、世界樹の上に行ったって言うプレイヤーっつーのは………」
「へぇ、知ってたんだ。その通り。僕は世界樹の外周から上にまで言ったんだよ。そして、見つけた」
そこまで言って、レンは顔をくしゃりと歪めた。まるで、耐え切れないものがあるかのように。
「冷たい鳥籠に囲まれた、マイとアスナねーちゃんをね」
「………そう、か」
なんとなく分かったような気がした。
ようするに、この少年は不器用なのだ。愛した者のためならば、何だってする。そんな、壊れやすい薄氷のような、柔らかいココロ。
それは決して許されるような物ではないけれど、しかし同時に、罰せられるような物でもない。
「わかった、レン。ひとまずその事については、もう俺は何も言わない。ただ一つだけ聞いていいか?」
「なに?」
黙って小首を傾げるレンに、俺は気になっていたことを質問する。
「さっきの戦闘で、お前は誰と戦ってたんだ?」
先程の戦闘の様子を思い出し、今更ながら背筋が凍る。
《空間》がぶった切られるなど、どんな戦い方をすればあのような状態になるのだ。その他にも数々の戦闘の爪跡が残っていたし。
俺のその問いに、紅衣の少年はさも何でもないように、一切の気負いなくさらりと答えた。
「あぁ、テオドラねーちゃん」
俺はもう一度、絶句せざるをえなかった。
テオドラといえば、あの体術のスペシャリストと言われた《柔拳王》テオドラのことだろう。しか
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ