暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜時を越えたデスゲーム〜
第一話
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目を開いたそこは、高い高い世界樹の上・・・の、筈だった。
リンゴーン、リンゴーン・・・・
低い鐘の音が鳴っている。
カズネとアキトはゆっくり目を開き、あたりの異常さに気がつく。
とても見覚えのあるこの広場は。
((始まりの・・・・街・・・))
それにしても異常だ。
耳は尖がっていないし、装備も初期装備。
周りのアバターたちも同様だ。
「私は茅場明彦。この世界を唯一コントロールできる・・・・・」
真上で、システムアナウンスが行われる。
ALOではこんなものはない。
ましてや、茅場明彦なんて―――。
茅場明彦。
その名前に、カズネたちは絶句する。
顔を見合わせた。
「ここ・・・始まりの街だよね・・・?」
「ああ・・・・」
「じゃあなんで皆、妖精姿じゃなくて、初期装備なの・・・?」
「ここ・・・・・ここってまさか・・・・」
「「・・・"本物"の・・・SAO・・・!」」
二人は絶句して言った。
間違いない。
これだけ条件が揃っているのだ。
それ以外なんの可能性も無い。
「じゃあ、じゃあ、私たち・・・タイムスリップ・・・しちゃったの?」
「知るか!・・・でもそうだとすると・・・・そうだとすると、これって・・・・」
自分達は、悪夢の二年間を過ごさなければならないということだ。
「私たち、まだ38層までしか知らないよ・・・?どうするの、このままじゃ、私たち・・・!」
「落ち着けカズネ。俺たちがこのデスゲームにいるなら、ここはSAOの正式サービス開始の日のはず・・・なら、俺たちの同じ年の、父さんと母さんがいるはず・・・」
自分達が和人から聞いた話なら、ここらへんで和人、否キリトが茅場に向かって叫んだという。
それで居るかいないかがわかるはずだ。
「・・・・・」
「・・・・・」
二人は静かに耳を済ませる。
でも。
何時までたっても、キリトらしき叫び声は聞こえなかった。
誰も叫びはしなかった。
ということは。
「私たち・・・・本当に・・・」
「デスゲームを攻略しなきゃいけないって事なのか・・・・?」
二人の呟きは、茅場の周りの絶叫にかき消されていった。
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