姫提督から見た帝国内乱
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は抵抗があるのです。
私も教育を受けては居ますが、私兵ならばともかく正規軍を動かす時に兵がついてこれるとは思っていませんでした。
クリューネワルト伯爵夫人の元に居た皇帝陛下より信頼できる指揮官を紹介していただいたのが閣下だったのです。
艦隊戦の最中でも眠っておられた大胆なお方でしたわ。
閣下のお導きがなかったら、こうしてここでお話はできなかったでしょうね」
「若いの。
歴史に触れてみてどうだったかな?」
「ビュコック提督。
あのお方は相当の食わせ物だと判断せざるを得ません。
いずれ情報局の方でも似たようなレポートが出ると思いますが」
「そのご令嬢の実家の話だが、一週間前にグリンメルスハウゼン大将の艦隊によって制圧され、帝国は内乱の終結を宣言したよ。
若いのの妄想でいい。
長い宇宙の航海の暇つぶしに聞かせてもらえると面白いな」
「……おそらく、ルードヴィッヒ皇太子とブラウンシュヴァイク公とカストロプ公が組んで、リヒテンラーデ候を追い落とそうとした。
リヒテンラーデ候はクロプシュトック侯を使って、ルードヴィッヒ皇太子とブラウンシュヴァイク公を排除しようとし、生き残ったブラウンシュヴァイク公にリッテンハイム侯が犯人と唆した。
あのご令嬢の艦隊がクーデターの中核戦力だったんでしょう。
カストロプ公がテロ前に捕らわれていたか殺されていたかの理由でクーデター失敗に気づいた彼女は、体制側に寝返り実家を売る事で破滅を回避、機会を伺おうとした。
彼女にとって誤算だったのは、彼女の戦力が中核となったグリンメルスハウゼン艦隊の活躍で反乱軍が各個撃破されて体制側についたとはいえ、彼女の身の安全が危うくなった事。
だから、逃げ出したし、ここまであれだけの船団を維持できたんです。
そんな判断が彼女か彼女の幕僚にできる人間がいる。
食わせ物と私が判断した理由です」
「これはまだ未確定情報だが、貴官と入れ替えで乗船した外務委員会の外交官の話だと、ご令嬢は同盟ではなくフェザーンの亡命も考えているらしい。
カストロプ公の隠し財産の運営はあそこで行われていたからな」
「……いっその事、辺境惑星のコロニーをカストロプ公国にしてしまったらどうですか?」
ヤンのこのぼやきは後に同盟とフェザーン主導で実現する。
道化師がフェザーンに与えた旧同盟領の一星系に隠し財産と資本をかき集めたカストロプ公国が設立され、同盟とフェザーンがそれぞれ承認したのだ。
これによって、同盟は反帝国国家を手に入れ、フェザーンは同盟のご機嫌取りと余分な贅肉と化していた領土の一部スリム化に成功。
帝国の激怒については同盟は警戒しつつも鼻で笑ったが、フェザーンは帝国への財政
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