第八十七話
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英霊なの?聖杯戦争には東洋の英霊は招かれないはずなのに…」
「なに、私自身が佐々木小次郎本人であると言うわけではない。ただ、その役割に近かったのが私だったと言うだけの無名の剣士よ」
そうアサシンが答える。
「そう、だれかがルールを破ったのね。チャンピオン、あんな英霊でも無い奴に負けるなんて絶対に許さないわ」
「とは言われても俺自身も英霊と言うわけでは無いから、似たようなものだろうよ」
「う、うるさいわねっ!早く倒しちゃいなさいっ!」
「はいはい」
さて、行くかと思った時、また身の内から声が掛かる。今度は誰だ?
『あーちゃん、変わってくれない?』
『母さんか…』
『佐々木小次郎と戦える事なんて二度とないでしょうから、私の技が何処まで通用するか試してみたいの』
『…ああ、もうこのパターンには慣れたよ。うん』
そう言うと体の支配権を手放した。
◇
うん、このパターンはもう予想していた。
チャンピオンの姿が歪むと、黒い竜鱗の甲冑を着た女性の騎士が、二振りの日本刀をその手に持って現れた。
また見た事の無い人だ。…だけど、なんで女性ばかり?
「これはまた面妖な」
と、感想を言った後、アサシンの表情から軽薄さが消える。
「この私に対するのが二刀流の剣士とは…これはまた因果なものよ…」
「はじめまして、アサシン。私はチャンピオンのサーヴァントよ。お互いまっとうな英霊では無いけれど、修めた武技には自信があるでしょう。巌流島の戦いの再現とは行かないまでも、お互い死力を尽くした戦いをしましょう」
「ああ、それは私も望むところだ。剣での斬りあいを望み、セイバーが来ないかと思っていたところだが、日本刀を持つ敵と相対できようとは…」
それ以上互いに言葉はなかった。
山道の上で構えるアサシンに、見上げるチャンピオン。
「ふっ」
先に動いたのはチャンピオンだった。
構えた二本の日本刀を振り下ろし、アサシンへと駆ける。
キィンと刀と刀がぶつかり合う音が響く。
一本目の刀をアサシンは刀の根元部分で受け、二本目を剣をスライドさせるように一本目を受け止めたまま長い刀身を生かして剣先で受け止める。
弾く力でチャンピオンを追い落とすと、アサシンはそのリーチを生かして横に一薙ぎしてチャンピオンの首を狩りとらんとする。
それを引き戻した左手の刀で受け止めるチャンピオン。
キィンと甲高い音が音が鳴ったかと思うとすかさず残りの一刀でアサシンを切りつけるが、体勢が悪くリーチもアサシンの刀よりも短かった為にアサシンは身を引くと同時にチャンピオンの攻撃をかわした。
「この足場じゃお互いに全力とは行かないわね」
「許せ。な
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