魔法先生ネギま!
0296話
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うか? 別に普通の……」
「ケホッ、ケホッ」
俺の言葉に割り込むようにして、エヴァが咳き込む。
「わ、わわわ。ど、どうしようアクセル君」
「そうだな……ネギ、お前は魔法学校を卒業したんだよな?」
「え? うん」
「なら回復魔法とか使えないのか?」
俺のその質問に、ネギは力無く首を振る。
「僕の治癒呪文は外傷……擦り傷くらいにしか効果がないんだ」
「そう、か」
魔法と言っても個人個人で得意な属性があるが、ネギのそれは回復魔法には向いていないのだろう。
「アクセル君は?」
「俺も同じくだ。と言うか、現状での俺は基本的に炎の魔法とこの前見せた操影術くらいしか使えないな」
「そっか。うーん、じゃあどうすれば……」
「喉、喉が……」
まるでタイミングを見計らっていたかのように寝言を呟くエヴァ。
にしても、喉……ねぇ。
「えっと、水……は、飲んでくれない。お茶? コーラ?」
水差しを口元に持っていくが、無意識にだろうそれを拒否するエヴァ。そしてお茶やコーラ……って、おい。
「さすがにコーラは無いだろう」
ネギが差し出そうとしたコーラを止める。
「じゃあ何を飲ませたらいいと思う?」
「普通なら風邪を引いた時は湯冷ましとかスポーツドリンクなんだが……知っての通りエヴァは吸血鬼だ。なら分かるだろう?」
「え? 血!?」
「正解。取りあえず献血だとでも思って吸わせてやれ」
「僕だけ? アクセル君は?」
自分だけが血を吸わせるというのがイヤだった――と言うか、怖かったのか――そう言ってくるネギ。
「悪いが、俺の血は魔力量が多すぎるらしくてな。一種の劇薬的な扱いらしい。通常の状態のエヴァならともかく、病気で弱ってるエヴァには厳しいだろう」
そもそも別荘の中である程度の魔法が行使出来る状態になっていたエヴァでも数滴飲んだだけで飛び退いた程なのだ。現在の弱っているエヴァに俺の血を与えたりしたら冗談無しに命に関わる可能性が高い。
「アクセル君、エヴァンジェリンさんに血を飲ませた事あるんだ」
ボソッと小さな声で呟き、何かを考える仕草をしながらも指をそっとエヴァの口元へと伸ばす。
「す、少しだけですよ。本当に少しだけですからね」
ちうちうとネギの血を吸うエヴァ。その後も、暑いと言えばカーテンを閉め、汗で冷えて寒いと言えばエヴァの服を着替えさせた。
ちなみに前者が俺で後者がネギの担当だ。
「つ、疲れたね……」
「そうだな」
病人の世話というのがこうも疲れるものだとは思いもしなかった。
だが、その甲斐もあり現在のエヴァはスヤスヤとベッドで眠っている。
丁度そんな時だ。エヴァの口から寝言が漏れたのは。
「
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