暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 弾かれ者たちの円舞曲
第伍話 《真っ黒》〜中編〜
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
たせしました」
チルノが言いかけて、NPCのウェイターが料理を持ってきたことに気付き、口を閉じた。
「……まぁ、食っちまおう。そっから話し合い終わらせて、探索といこうか」
言いながら、自分の目の前に運ばれてきたステーキに似た何かを口に運ぶシキ。
チルノは野菜と卵がサンドされたサンドイッチを頬張りながら、シキの食べているものを指さす。
「……シキ、貴方の頼んだものって………」
「ん? ああ。『ポークフロッグのステーキ』だな」
ナイフとフォークを巧みに操り、カエルだったものを口に入れる。
信じられないとでも言いたげな表情の女性二人に、「結構美味いぞ」と言うシキを横目で見て、シンは今日最大級の溜息を盛大に吐き出した。

      ○●◎

「んで、ここがあのシスターさんが最初に買い物に来た場所か」
食事を終えた一行は、あのシスターが最初にロウソクを求めてやってきたという店の前に来ていた。
「普通の雑貨店のようですね」
頷いて、シキは扉を開いた。
いらっしゃいませ、というごくありきたりな台詞を返して、店主らしき恰幅のよい男がカウンターからシキ達を笑顔で迎えた。
「いきなりですまないが、数日前に修道服の女性を見かけなかったか?」
単刀直入に、シンが尋ねる。
こういう捜し物系のクエストは関係のある者に聞くと、情報を教えてくれ、最終的にはその捜し物(又は捜し人)を見つけることができる、というものが殆どである。
「んー……。そうだねぇ……。ああいたね。そんな人」
ぽん、と手を打つ店主。
「それで、ネックレスか何か落とさなかったか?」
今にも掴みかかっていきそうなチルノの襟首を掴みながらシキが問うた。
「いやぁ……。見てないなぁ、残念だけど」
店主は首を振り、その回答にシキは予想通りと内心で呟く。
そのままあのシスターが回ったという店を二、三軒ほど行ってみたものの、手掛かりはなかった。

      ○●◎

「…………ねぇ」
「何だ? チルノ」
「本当に……あの人はネックレスなんて落としていたのかしら?」
シンとアティとは二組に別れて情報収集している最中、ぽつりと路地裏の冷えた石畳の上に転がったチルノが言った。
シキは今さっき話を聞き終えた店の扉を閉め、チルノへと振り返った。
「どういうことだ?」
「だって、あれから四軒は回ったわよ。ガセじゃないの?」
「クエスト自体存在するんだから、無いとおかしいだろ」
それに、とシキは続けて、
「あのシスターが来たと言うことは、どの店の店主も言っている。それに、あの人が教えてくれたかぎりじゃあ、シンとアティに行ってもらってる場所が最後だ。こういうゲームは、大概そういう場所にあるものだ――」
「おーい、シキー? ネックレス見つかったぞー?」
シキが言い切っ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ