初戦
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周りの音が完全にシャットアウトされたように静かになる。気のせいかと思ったが、どうやら、参加者に罵声などが聞こえないようにして試合に集中してもらおうと言う、運営側の措置らしい。
「いくぞ、こら!」
そしてボクシングの構えを変えて顎などの部位を拳で隠して姿勢を低くして接近してくる。確かこの構えは顎などの弱点部位を隠せるが下半身の防御を捨てている。そして自分も黒の刺客に向けて飛び出す。
「おらぁ!!」
黒の刺客はゲツガが攻めてくるのを確認するとちょうどいいタイミングで失速してそのまま腰を回転させて体重の乗ったパンチを打ってくる。こちらは失速して後ろに飛んで避ける。
「そらぁ!!」
避けたゲツガに対して足を一歩踏み込んで蹴りを放ってくる。それをダッキングで避けると蹴りの足を下ろすとそのまま回し蹴りを決めようとする。
「おっと!」
ゲツガはそれをさらに後ろに飛んで避ける。これは空手の足運びや撃ち方だがどちらかというとムエタイに似てるかもしれない。
「ドラァ!!」
黒の刺客はさらに踏み込んで拳を打ち込んでくる。それを今度は手を使って捌く。腕の横をおして、自分の顔面の軌道をずらして横を通るようにしようとするが、それでもまだ足りなかったのでヘッドスリップをして避ける。
しかし、避けるタイミングが少し遅れたせいで掠る。その攻撃によってHPが減らされる。若干だが自分の思っていた速さよりも速かったらしい。
「もっと集中しなきゃな」
「何無駄口叩いてんだ、あぁ!!」
そういった黒の刺客は体を低くして自分の肝臓目掛けてブローを放ってきていた。それを接近して無理やり拳を止めて避ける。
「ふざけやがって、攻撃して来いや!!」
「うるせぇな。わかったよ」
ゲツガはそう呟くと一度大きく息を吐き、ゆっくりと吐く。その隙に黒の刺客はゲツガに迫り、拳を叩き込もうとする。
「オラァ!!」
しかし、その拳はゲツガに当たることはなく空を切る。ゲツガは逆に死角に素早く移動してそれを避けた後、黒の刺客に向けて腹に向けて蹴りを叩き込もうとする。しかし、黒の刺客はまるで見えているかのようにそれをかわした。
(なんであいつ死角にいた俺に気付いたんだ?)
「あっぶね〜……」
確かにさっきのは自分でも決まったと思ったが、勘なのかかわされた。だが、さっきの避け方は完全に見えていないと無理だ。もしかすると、こいつ、視野が普通の奴より広いのか?
そんなことを思っていると避けた体勢からすでに立て直したようで、そのままゲツガへと接近していた。そして体を完全に密着させるとまたしても肝臓打ちをしてくる。それを避けようとするが足を踏まれているのに気付いた。
「今度は逃が
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