TURN76 青い石の力その七
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「そうしないとやられるのは僕達だからね」
「だよな、しかし連合国ってのは顔触れが変わっても相変わらずだよな」
イギリスはコーヒーに口をつけないままだった。それはマリーも同じだ。
「仲悪いよな」
「前の顔触れも大概だったよね」
「今もだからな」
「何ていうか利害だけで手を結んでるよね」
マリーはそのものずばりだった。
「それだけの関係だよね」
「見事なまでにそうだよな」
「その辺り枢軸と違うね」
「あいつ等結構仲いいからな」
「向こうも利害なのにどうしてかな」
「俺のせいかもな」
何となくこう考えているイギリスだった。見れば憮然とした顔になっている。
「まさかな」
「それは違うんじゃないの?」
「だといいけれどな」
イギリスはマリーの言葉も今はストレートに受け入れられなかった。
「何か俺の関係って外は酷いからな」
「中は?」
「あんた達がいるからな」
そういうことだった。
「違うからな」
「祖国さんはいい国だよ」
マリーは微笑んで自分の祖国にこう言った。
「いつも皆のことを考えてるじゃない」
「いや、それ基本だからな」
「国家の?」
「国家は自分の国民のことを考えるんだよ」
「基本として?」
「当然のこととしてな」
考えるというのだ。
「そういうものだからな」
「だからなんだ」
「ああ、とにかくだよ」
また言うイギリスだった。
「俺は中はいい感じだからな」
「いいのね」
「こうしてあんた達がいつも一緒だからな」
イギリスは微笑んで話す。
「助かってるよ」
「私達もですから」
セーラはそのイギリスに微笑んで言う。
「祖国さんがおられるからです」
「楽しいんだな」
「物心つく前から一緒にいてくれてますね」
「それもな」
イギリスはそのセーラにも言う。
「当然のことだからな」
「国家ならですか」
「そうだよ。俺にとっては女王さんもマリーさんも妹みたいなものなんだよ」
「妹ですか」
「そういうのなんだよ」
イギリスから見れば二人の母エリザもそうなる。このことを微笑んで言ったのである。
「だからこれからも宜しくな」
「はい、それでは」
「これからもお願いね」
セーラとマリーは微笑んでイギリスに言った。そしてだった。
イギリスはその冷めてしまったコーヒーも見て言った。
「しかしな」
「コーヒーですね」
「これよね」
「こんなの飲む奴の気が知れねえな」
これがイギリスのコーヒー評だった。
「何で紅茶を飲まねえんだろうな」
「オフランスもコーヒーなんだよね」
マリーはエイリスの宿敵のことを言った、この前まで同盟関係ではあったが歴史的にはそうした関係なのだ。
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