第9話 罪を憎んで人を憎まずって言うけど、それじゃ罪人はどうなるの?
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銀時達万事屋ご一行+αことフェレット状態のユーノは、ただいま此処海鳴市某所にある喫茶店『翠屋』内にある面接用の待合室に来ていた。
誤解しないで頂きたいのは、別に銀さん達はこの店に面接に来た訳ではない。実は前々回のお話にて銀さん達は余りの空腹の為にこの世界のお金がないにも関わらず料理を注文して、さらに完食までしてしまったのだ。
当然店側としてもそんな不届き者を野放しになど出来る筈もなく、こうして此処に集められた次第なのである。
「いや、本当にすんませんでした。まさか俺とした事が財布を忘れちまうなんてとんだウッカリさんでしたよ。全く、何処かの主婦みたいに買い物に行ったは良いけど財布を忘れて愉快な銀さんって感じですよ」
その場の空気をなごませようと思い咄嗟に放ったボケではあったが、尚の事場の空気が不味くなったのは言うまでもない。返って場の空気がより一層重くなってしまったのである。
(銀さぁぁぁん! この空気めちゃくちゃ重いんですけどぉぉぉ! どうにかして下さいよ。フォローしないとやっていけない僕としてはこの空気はいてもたってもいられませんよ!)
(るせぇ! 俺だってどうにかしようと渾身のボケかましたんだよ。なのにこいつらと来たらガン無視な上に更にご機嫌ななめになっちまったんだよ! もう俺じゃどうにも出来ねぇよ、お手上げ状態だよ! イッツ、ホールドアップだよ! 頼むぅぅぅ! もう何でもするからその空気だけは止めてくれぇぇ! 300円あげるからぁぁ!)
小言で語り合う新八と銀時。その二人共顔色がかなり悪い。それもそうだ。今の所銀時達はこの世界で言う無銭飲食を犯した言い方は悪いが罪人なのだ。
このままだと身元も分からないと言うので警察に引き取られてしまう。そうなったら暫くの間は薄暗い牢屋の中で冷や飯を食べる毎日が待っているだろう。そんなのは御免であった。
されど、今の銀時達に強行突破は無理難題と言える。
何せこの世界に来た影響のせいか銀時と神楽は揃って力が弱体化してしまっているのだ。今の二人にはこの一家から逃れる事さえ困難となっている。
正しく万事休すとはこの事でもあった。
因みに、全く触れられてなかったのだが、今の所目の前には先ほど料理を運んできた恭也ともう一人、別の青年が座っていた。
顔立ちは恭也とほぼ同じだがこちらの男性はそれなりに年齢を重ねている感じが見受けられた。
恭也は今にも殴り掛かろうかと言う形相でこちらを睨んでるのだが、もう一人の男性は銀時達をしげしげと見ているだけで特に怒りだろうと言うようなオーラは感じられなかった。
しかし、それはあえてその男性が隠していると言う可能性もある為油断は出来ない。
「すんまっせぇぇん! ミルクココアおかわりぃぃぃ!」
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