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駄目親父としっかり娘の珍道中
第9話 罪を憎んで人を憎まずって言うけど、それじゃ罪人はどうなるの?
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らしく、二人共銀時から半径50メートル以上近寄らなくなってしまったのだ。
 その為銀時は一人庭の隅っこで寂しく座るしかなかったのである。

「へぇ、神楽も新八も万事屋ってのをやってるんだ」
「そうアル! 子猫の捜索から要人の護衛まで何でも引き受けるアルよ!」
「凄いじゃない。まるでスペシャリストね」

 どうやらアリサにはその万事屋と言うのが聞き慣れていないらしく、彼女の脳内ではどんな危険な任務もこなすパーフェクトソルジャーを思い浮かべていたのだろう。だが、実際には何でも屋らしく仕事などあってないような物であり、なのはが仕事を見つけてこなかったら基本的に何もない毎日でもあったりする。

「そう言えば、此処はすずかちゃんの家なんだよね。君って猫好きなんだ」
「うん、だから私の家ではこうして子猫を放し飼いにしてるの。その方が猫も喜ぶし」

 紫色の髪の少女こと、すずかは回りを見渡してじゃれあう子猫を見ていた。彼女は正真正銘の猫好きなのだろう。そう新八は思えた。新八もまた回りでじゃれあっている子猫達を見ていた。
 その子猫達の中に混じって一緒に遊びまわる定春。そして、一匹の子猫に激しく追い回される一匹のフェレットことユーノ。因みに子猫といえどもフェレットはそれより更に小さい。鼠に近い動物なので子猫にとっては絶好の獲物でもある。

(た、助けてえええぇぇぇぇぇ!)

 聞こえもしない叫びを挙げながらユーノが激しく逃げ回っていた。そしてその後ろを一匹の子猫が激しく追い掛け回す。捕まれば最期、散々弄ばれた挙句今晩のディナーにされてしまうのは間違いない。
 と、とうとう我慢の限界に達したのかユーノが庭の向こう側にある茂みへと入って行ってしまった。それに続いて子猫も茂みの奥へと行ってしまう。

「あ、奥に行っちゃ駄目だよ! 帰ってこれなくなっちゃうよぉ」
「そ、そんなに広大なのこの庭!」
「うん、此処から先って結構視界が悪いから、あの子戻れなくなっちゃうよ」

 余ほどあの子猫が心配なのだろうか、今にも泣き出しそうになるすずか。こうなれば直に探しに行くしかない。が、そんなに広大な森であっては言った途端自分達も迷子になってしまう危険性すらある。
 と、其処へ……

「だったら俺達に任せな」
「出た、鼻くそ男!」

 いきなりな言われようをされるのはご存知銀時である。そしてそんな言いようをしたのはご存知アリサである。
 それは良いとして、銀時は名誉挽回(めいよばんかい)のチャンスと悟り、こうして目の前に参上したのである。

「子猫の捜索ならお手の物だぜ。此処は俺達万事屋に任せな」
「でも……」
「大丈夫だよすずかちゃん」

 答えに渋るすずかに新八がそっと言い寄った。

「僕達に任せてよ。こう見えて
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