第9話 罪を憎んで人を憎まずって言うけど、それじゃ罪人はどうなるの?
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べた分を貴方に体で払って貰いましょう」
「ゑ?」
「さっき言いましたよね。俺一人を罰して済むんならお好きな様にして下さい……って」
「い、いや……あれは、そのぉ……」
完全にあてが外れてしまった。銀時の脳内としては、お涙頂戴の話をしてこの場を有耶無耶にし、その隙に逃げ出そうと企んでいたようだ。
だが、それを真っ向からこの男は捉えてしまったらしく、結果として返って銀時自身が自分の首を絞める結果となってしまったのである。
***
「いらっしゃませアルよ〜」
と、言う訳で万事屋ご一行は此処喫茶翠屋にて住み込みで働く羽目になってしまった。まぁ、考え方を変えれば雨風を凌げる場を設けられたと言う訳であると言えるのだが、しかし喫茶店のバイトとは言えそれなりに人気の喫茶店である。毎日大量の客が押し寄せるためそれを捌くのもひと苦労と言える。
更に、この万事屋メンバーがそんな客の接待なんて高レベルの芸当をこなせる筈もなく、度々問題を引き起こすのは言うに及ばずであり。
「お待たせしましたアル。ご注文のチョコレートケーキアル」
神楽が御盆を片手に注文の品を置く、だが、その品には歪に齧られた跡が残っており、しかもそれが本来の料理のほぼ4分の3近くを食い尽くしている始末でもあった。
「え? 何コレ……誰かに齧られた跡があるんだけど……」
注文した男性が因縁をつけようと料理を持ってきた神楽を見る。その神楽の口元にはベッタリとチョコレートがこびりついていた。それを見て客の男性は悟った。
「犯人はこいつだ!」と……
「ちょ、ちょっとぉ! こんなの食べる気になれないよ。交換してくれ!」
「贅沢言ってるんじゃねぇよ! 男ならゴキブリがたかったケーキだろうと気にせず食べるもんアル! 女々しい事言ってるんじゃねぇよ」
「いや、そう言う問題じゃねぇから! これ明らかに食われてるじゃん! こんなのに俺金払いたくねぇし! つぅか何だよこの店ぇぇ! 店長を呼べ店長をぉぉぉ!」
怒り心頭となった男が大声で叫ぶ。するとそれに呼応するかの様に店の奥からやってきたのは、銀色のサラサラヘアーに黒いエプロンを携え、調理途中と思われるチョコソースの入ったボールを脇に抱えてそれをスプーンですくって食べまくってる銀時がやってきた。
「店長代理の坂田です。お客様、何かご不満な事が御座いましたか?」
「大有りだよ! ってかお前等の存在自体がご不満なんだよ! 何で注文した品を食うんだ! 何で調理途中の食材を自分一人で食いまくってんだ! しかも直食いすんな! それを客に食わす気か? もう駄目だ! 俺もうチョコケーキ食いたくない!」
頭を抱えて叫びだす男性。しかし、そんな男性の事な
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