第8話 どんな些細な事でも懲り過ぎると案外大変
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時刻は午前の4時。空はまだ暗く、月が出ている寒空の下、なのは、フェイト、アルフの三名はある場所に訪れていた。
其処はこんな時間だと言うのに活気に満ち溢れており血気盛んな人達で賑わっている。
はい、其処ぉ!
今コミケとかの会場を連想しただろう? した奴正直に挙手しなさい。額にデコピン当ててやるから。
そう言う訳で、現在三人が訪れていたのは東京にある築地市場である。此処は日本最大の市場とも言われており新鮮な魚介類から他の食材まで多種多様に揃っておりしかも質も良いと言う正しく最高の食材を得られる絶好の場所なのであった。
んで、その場所にこの三人は来ていたのだ。
「な、なのは……私凄く眠いよ」
「御免ねフェイトちゃん。でも、これも美味しい食材を手に入れる為だから我慢してね」
眠い目を擦るフェイトに比べて、なのははこの時間だと言うのに元気ハツラツ状態であった。とても9歳児とは思えない目の輝きようをしている。
その余りの光景にフェイトは勿論アルフも唖然としてしまうのであったりした。
因みに言うとアルフも眠い。本来この時間と言ったら寝ていてもおかしくない時間なのだ。にも関わらずなのはが食材を揃える為と言うのでついてきた次第なのである。
が、今は些かそれを後悔していたりする。なのはからは只の買い物といわれたのだが行って見ればまさか此処まで来る羽目になるとは思ってもいなかったのだから。
「さ、まずはあっちの方に行くよ」
なのはが先導して道を急ぐ。その先には物凄い人だかりがあった。しかも皆ごついおじさんばかりである。一体何の集まりなのだろうか?
必死に人ごみを掻き分けてその答えを見に行く二人。その先に見えたのはこれまたごつい叔父さんとその回りに並べられた何種類かの魚であった。
「はいはい、これからこちらの商品の競りを行います。まずはこちらの丸々太った鰻3尾詰め合わせから参りたいと思います。こちらは新鮮獲れたての状態です。勿論泥も既に吐かせてありますので後は捌いて蒲焼にするなり塩焼きにするなりご自由に!」
おじさんの前にはこれまた丸々太った美味そうな鰻が3尾も揃えられていた。昨今鰻の値段が格段に上がってしまい中々手が出せない今日この頃には何よりも嬉しい事でもあった。
しかしアルフもフェイトもあんまりそれが美味しいとは見えなかった。只のヌルヌルしてて気持ち悪い魚にしか見えないのだ。
そんな魚を巡って、なのはと多くのごついおじさん達の目がギラギラと燃え出していたのに彼女達は気付いてなどいなかった。
「はい、それじゃまず最初は2千円から!」
先頭のおじさんがそう言った直後、激しい怒号にも似た声と共に大量の金額が降り注いだ。
しかも、その額が徐々に上がっていく。その上がり方はとても
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