第二十七話「止まる時と動き出す時」
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なんだかその美しい笑みにぞっとするのは俺の感性がいかれたからか。
「さてイッセー、お尻を出しなさい」
へ? な、なぜ故にですか……?
にっこりと微笑む部長の右手に紅い魔力が集まる。
「下僕の躾も主の仕事でしょ。今回の罰として、お尻叩き百回よ」
オウ……。
なにも言葉が出ないことから俺の心境を察してほしい。
† † †
深夜の兵頭家。
いつものように就寝の支度を整えた俺は自室のベッドで横になっていた。隣からはフローラルな良い香りが漂ってきている。
そう、俺はアーシアと夜をともにしているのだ! 驚いたか、フハハハハハ!
……まあ、実際はエロエロなんかないですけどね。一人の夜が寂しいっていうから一緒に寝ているだけですけどね。でも、枕を抱きしめて潤んだ瞳で「……イッセーさん、一緒に寝てください」なんて言われた日には意識が冥界に飛ぶところだったぜ。
そういう事情があり、俺とアーシアは一緒の布団で寝ている。アーシアはいつも寝付くのが速いから、その可愛らしい寝顔を独占し放題だ!
そんな至福のひと時を迎えていると、不意に携帯が鳴った。
相手は部長だった。
「もしもし? どうしたんですか部長」
『緊急事態よ。すぐにアーシアと一緒に学校に来てちょうだい』
「学校ですか? わかりました、すぐに向かいます」
『お願いね』
なにやら緊迫した声の部長。緊急事態って言ってたけど、余程のことが起こったようだ。
隣ですやすや眠るアーシアを起こし、半ば寝ぼけている彼女に制服に着替えてもらった俺たち。両親を起こさないように静かに家を出た。
うちの家と学校はそんなに離れていない。そのため走れば十分くらいで着ける。
息を切らせて校門前に到着すると、そこには部長と朱乃さん、小猫ちゃんの姿があった。
「部長」
「来たわね。ごめんなさいね、こんな時間に呼び出して」
「いえ、それは構わないんですけど。なにかあったんですか?」
「……堕天使コカビエルが接触してきたのよ。お兄様を引き出すために、この駒王学園で暴れると宣戦布告されたわ」
「サーゼクス様を? なぜそんなことを――」
「戦闘狂のコカビエルのことだわ、ただ戦いたいそうよ」
なんつー理由だそりゃ! 自分の戦闘欲を満たすために戦争を吹っ掛けるなんて、自己中にも程があるだろう!
確かコカビエルって堕天使の幹部で聖書にも出てくる
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