第5章 契約
第67話 疫鬼
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れようとした……。俺の手を取った少女は。
俺は、あの少女の事をタバサの、……かつて復讐を考えた時の彼女の心だと考えたのですが、後に刻まれた聖痕の状況から考えると、彼女。ショゴスの内部から助け出した少女も、現実に存在する一人の少女だった可能性の方が高いと思います。
そう考えるのならば……。
現在行方不明のタバサの双子の妹。
そしてタバサの夢に現れ、その夢の世界を虚無の空間へと破壊し尽くそうとした、彼女そっくりの少女。
ここに、何らかの関係性が見つけ出せるとも思えるのですが。
【湖の乙女。俺が、オマエさんの姿を初めて目にしたあの夢の世界。タバサの夢の世界に顕われたショゴスに囚われて居た少女は誰や?】
判らなければ、必要な情報を集めたら良いだけ。そう考えてから、俺と契約を交わした少女へと問い掛ける俺。
この場には、あの夢の世界に登場していた俺とタバサ以外にもう一人、登場人物が居ます。
更に、彼女は、この件に関してはどう考えても、俺以上に知識を持って居ると思いますから。
彼女の深い憂いを湛えた瞳に俺を映す。その瞳は普段の彼女のまま。
しかし、彼女の示す感情は僅かな困惑。
そして、
【あの夢の世界で、わたしは貴方の視界には入ってはいない】
……と、俺の予想とはかなり違う答えが返された。
彼女と俺は、あの夢の世界では出会っていない?
俺は、彼女。自らと契約を交わした少女を見つめた。
そんな俺の事を、その清浄な湖にも似た愁いを帯びた瞳で見つめ返す少女。
少し彼女から視線を逸らし、首を横に振る俺。そして、その瞬間に確信する。彼女はウソを言っていな事を。それだけは間違い有りません。
但し、もしそうだとすると、あの時に見つけた二人。蒼い髪の少年と、この目の前の湖の乙女と同じ姿形をした少女は一体……。
そんな思考の迷宮へと迷い込み掛ける俺。そんな俺に対して、
【確かな事は言えない。でも、あのショゴスに似た魔物に囚われて居た少女は、わたしの知って居る少女に似た固有パターンを有していた】
何か、更に予想外の事実を【口にする】湖の乙女。
その上、彼女の知り合いって……。
【それはもしかして、俺も知って居る相手だと言うのか?】
もしも、そうだとするのなら、前世の俺は一体、何をしていた人間だったのです?
この少女とは明らかに、何らかの約束を交わして居ます。彼女が言うには、例え死したとしても次の生命で必ず彼女の事を見つける、と言う約束を交わす間柄……。
そして、それ以外でも、俺と関係の有る少女がタバサの妹として転生して来て居る可能性が有る。そう言う事なのでは……。
俺の問い掛けに、湖の乙女は少しの空白
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