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アスナさんの家は・・・簡潔に言おう、めちゃくちゃ豪華だった。
「なぁこれ・・・一体何k掛かってるんだ・・・?」
「んー、大体四千kくらいかな?適当に座ってて 着替えてくるから」
「「四千・・・・」」
攻略組みであれば軽く貯まる金額だけど・・・
「「無理だよなぁ・・・」」
私と兄は揃いも揃って無駄遣いのしすぎなのである。
「お待たせー・・・・君たちも何時までそんな格好してるの」
私と兄はハッとして、コートなど武装の類を解除した。
兄の目がアスナさんの・・・・どこに向いてたなんて・・・後で聞いてやろう。
「さて・・・・どんな料理にする?」
「シェフお任せコースで」
「・・・同じく・・・」
「じゃあシチューにしましょうラグー(煮込み)って言うくらいだし」
アスナさんは言うと、張り切って料理を始めた。
悔しいけど、すごい腕前だった・・・。
「完成!」
「「「いただきます」」」
一斉にシチューをかき込む。ちょっと行儀がわるいのは知っているが。
「おいしい!」
「ホント・・・凄い!」
「うん・・・・・」
私たちはシチューのおいしさに感激していた。
「ふぅ・・・・」
「今まで頑張って生きててよかった・・・」
「同感・・・」
シチューの皿はすぐに空になり、私たちは一息ついていた。
「そういえば・・・キリトくんとキリアちゃんって、どこで会ったの?」
「え・・・え・・・?」
「ああ・・・・どこ・・・って言われても」
どう答えたものか。
この際、言ってしまってもいいか。
「えーっと、俺たち、兄妹なんだ」
「双子の・・・」
アスナさんが固まって、復活した。
「双子なんだ!言われて見れば、似てるわね。へぇーっ、キリト君に妹かぁ・・・なんか変な感じ」
「リアルに1個したの従妹が居るけどな」
「うん・・・」
1個下の従妹・・・・直葉のことだ。
途端、胸が締め付けられたように苦しくなる。
でも、それは兄の痛みのほうが酷いはずだ。
私は直葉と兄と共に、剣道をやっていた。正確にはやっている。
この世界に囚われるまでは、行ったり行かなかったりを繰り返し、それは怒られたものだ。
兄は剣道をすぐにやめ、叔父に殴られていた。
私はそれを、泣きながら見ていることしか出来なかった。
従妹の直葉は、それをどうにかしてやめさせようとして、一人で自分が剣道をもっと頑張る、という”約束”を背負った。
私は”約束”を全て直葉に押し付け、私は時々道場へいくだけの不良生になっていて。
”約束”を押し付けた罪悪感は酷いが、兄の心はもっと痛んだと思う。
そんな過去の苦い思い出を頭から振り払い、溜息をついた。
「キリアちゃん、なんか、今日はごめんね。いきなり、キリアちゃんがそういうのニガテって知らなくって・・・」
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