追想〜狙撃銃対散弾銃〜
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エギルさんに大量のアイテムを預けてGGOに帰ってきた僕達は、早速慎と姫木さん・・・・・・・ダインとペイルライダーのもとへ急いだ。待ち合わせ場所は、ただっ広い荒野のど真ん中。明らかにシノンにとって不利な状況だが、シノンはあっさりと了承してしまった。
「大丈夫なの?明らかにシノンに不利な状況だけど」
「そうよ?・・・・・・だから燃えるんじゃない」
僕の背中でシノンが不敵に笑う。ちなみに、何故背中なのかと言うと、瞬間移動方法が存在しないGGOでは、特殊な機器を使わない限り移動手段が徒歩に限られるのだ。その為、シノンより圧倒的に走るのが速い僕がシノンを背負い、待ち合わせの場所へ急いでいるのだ。
実を言うと、背負ったシノンの柔らかいすらりとした肢体が僕の背中に密着している訳で。その上、僕の様にSTRが足りないアバターでは持ち上げることすら出来ないほど重たいヘカーテがさらにシノンの体をさらに押し付けている訳で。
「うおおおおおおお!」
よって、ダッシュがより一層速くなるのだ。
「ほい、ストーップ」
痩身の黒髪の青年、ダインの合図でブレーキを掛ける。凄まじい土煙を巻き上げながら進み、ちょうどダインとペイルライダーさんの目の前で停止した。
「ほう、意外と早かったな。よほど私に倒されたいと見える」
「ふふ、油断してると、背後から撃たれちゃうわよ?」
早速火花を散らし合う二人。
「うお、一触即発だな」
「誰のせいだと思ってるんだ誰の・・・・・・」
「え?事の発端お前の嫁だろ?」
はいそうでした忘れてましたさーせん。
「ほら、見てみろよ、ペイルがシノンを見失った。一分以内に見つけ出すか仕留めるかしないと、ペイルにとっちゃかなり不利だ」
いまの戦況は拮抗している。どちらもHPは満タンだ。恐らくシノンはこのまま一分間身を隠し、狙撃手の『予測線のない一撃』を叩き込むつもりなのだろう。ペイルライダーさんもそれが分かっているのだろう、腰を落とし、ショットガンと光剣を構え、そこから以前として動かない。
「ッ!そこだぁっ!」
荒野の岩の窪み、ほんの少しだけ草が繁っているところにペイルライダーさんは突っ込み、アーマライトを乱射する。そこにいたのは・・・・・・
「・・・・・・何!?」
ただ静かに鎮座する、恐ろしくも美しい銃・・・・・・ウルティマカティオ・ヘカーテIIだけだった。
「私は・・・・・・ここよ!」
岩の窪みの上。崖になっているところから、ワイヤーを使ってターザンの様にペイルライダーさんに急接近するシノン。近接戦闘に特化した彼女に対して、ヘカーテ自体はただのブラフだったのだ。ペイルライダーさんも、そして誰もがヘカーテを使って勝負を決めると信じて疑わなかっ
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