幻想御手
Trick16_サメの腹の中さ
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偽装することができる。今の信乃がまさにそうだった。
足首の装置が起動、車輪が靴の裏に移動してA・Tとなった。
「行くぜファ○ク共!! テメーらのミソッカスを食い散らかしてやる!!」
調子に乗って“牙の王”の口調を真似て死刑宣告した。
「ずいぶん人気のないところに来ましたのね」
「ああ、ここならどんなに叫び声をあげても誰も気付かない。いい場所だろ?」
「最悪の場所ですの」
4人、トリックと白井、高千穂と捕まったままの佐天がアジトへと向かっていた。
白井と高千穂はたまに軽口をしゃべっているが、佐天は恐怖で全くしゃべらない。
白井の「きっと大丈夫ですの」という励ましにも返事をしなかった。
そして4人は、とある工場に到着した。
「ほら、着いたぜ。この工場だ。トリック、開けろ」
「はい!」
トリックが工場の扉、トラックが入ることを想定した大きな引き戸を開けた。
「ようこそ! ここが俺らのアジトだ!」
高千穂が高らかに言った。
だが、
「残念」
工場の中から高千穂の知らない声がした。
「ここはもうお前のアジトじゃなぇ
サメの腹の中さ」
そこには西折信乃が一人だけ立っていた。
周りには倒れ伏した男達。工場の梁にも動かない数人もぶら下がっている。
地面や壁には深くえぐる幾つもの斬撃の跡。
まさしく地獄絵といった状態だ。
高千穂も含めて4人は驚きのあまり無反応だった。
しばしの沈黙。だが高千穂がこの沈黙を破った。
「これはお前がやったのか・・?」
「ああ」
短く答える。もちろん倒されたスキルアウトは全員が死亡どころか重傷を負っていない。
ただ、今からやってくる高千穂への挑発と警告のために派手に倒した。
信乃の返事を聞き、高千穂の体は震えてた。そして笑顔で信乃を見た。
「おい女」
「え?」
高千穂はいきなり捕まえてた佐天を離して背中を押した。
「あそこに集まっている連中の所に行け」
高千穂が指を向けた先には手錠をした5人が座っていた。
さっきまでは気絶していた常盤台の少女も目を覚まし、全員が茫然としている。
信乃も見ると笑顔で頷いたので、佐天は駆け足で5人の元に行った。
人質が解放されて自由になった白井だが、自分が下手に動いて均衡状態が崩れると
考えてすぐに動かずに信乃と高千穂の湯巣をうかがう。
「トレビアン!」
高千穂が急に叫んだ。
「トレビアンだぜお前! ただのスキルアウトなら、ともかくこいつらは全員が
能力者だ。それなのにこの状況! ははははははは!」
「それはどうも
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