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とある星の力を使いし者
第184話
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長ズボンを履いた長身の男が立っていた。
髪はうなじ辺りまで伸びていて、眼は氷のような冷たさを感じる。

「サイキ・・・貴方が来てくれるとは思いませんでした。」

「バルド様が勝手に出て行った貴様を助けて来いと命令されたのでな。」

視線を麻生に向けたまま二人は会話をする。
サイキと呼ばれる男からは身を凍らせるような殺気を向けられている。

(こいつ、強い。)

だが、引く訳にはいかない。
剣を握り直し構える。

「少しだけ相手をする。
 その間に戻る準備をしていろ。」

「分かりました。
 任せますよ。」

サイキはゆっくりを手を振り上げる。
振り上げた手に沿って半径二〇センチ程度の丸い円が幾つも浮かび上がる。
それらは一瞬光ったと思うと、レーザーのようなのが発射された。
横に移動してそれらをかわす。
レーザーを受けた地面は綺麗にレーザーの形をした穴が空いている。

「貫通力は凄まじいが、当たらなければな。」

レーザーを避けながら麻生は確実にサイキに近づく。
サイキはそっと手を倒壊した建物に触れる。
瞬間、建物は一瞬で塵になった。
奇妙な現象に麻生は足を止める。
塵はサイキの周囲に漂っている。

(あれも魔術なのか。)

サイキが右手を麻生に向けると塵は凄まじい勢いで麻生に近づいてくる。
星の力を斬撃として飛ばすが、塵は周囲を万遍なく覆い尽くす。

「捉えよ。」

呟くと塵は麻生を中心に集まり、黒い球体となって麻生を封じ込めた。

(何だこれは!?)

星の力を纏おうにも封印術式なのか、上手く纏う事はできない。
内側からの脱出は不可能と考えた麻生は外からの攻撃で破壊する。
自分の身体を斬らないように鎌鼬を発生させ、球体を切断する。
球体から脱出したころにはサイキとレギンスの姿はどこにも見当たらなかった。

「逃げられたか、くそ!」

堪らず地面を強く踏む。
あと一歩で貴重な情報を得られるはずだった。

(けど、この力を少しだけ扱えるようになった。)

得られる物も少なくはない。
能力使用時間は残り少ないが、今から教皇庁宮殿に向かい上条達を援護するか、と考えていた時。

「キョウやん!
 無事か!?」

「土御門。」

足を引きづりながら土御門は麻生の元に駆け寄る。

「何があった。
 台風クラスの風は発生するわ、雷は落ちるわ、おまけには山も消し飛んで。」

「お前が言っていた奴と戦っていただけだ。」

麻生の言葉に土御門は眼を見開いた。
周りを見渡す。
周囲は戦争でもあったかのように荒れ地になっていた。
消し飛び、未だに轟々と燃える山を見つめながら土御門は言う。

「キョウやん、お前は一体何と戦っている
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