百二十二話 The Red-Nosed Reindeer─赤鼻のトナカイ─
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「で、お前らどっか行くの?」
2025年 12月23日。午後六時
ALOの中で、リョウがアスナとキリトに聞いた。
現在いるのは、第二十二層の、少し主街区から離れた森の中。そう、あの森の家が有った、丁度その場所。その家だ。
新生アインクラッドとして、そのマップデータの全てがコピーされた場所に立つその家を手に入れる為、アスナを先頭とした九人を超えるパーティが解放された二十一層から二十二層までを一気に後略したのは、つい数日前の、日曜日の事である。まぁ、それについてはまた追々、別の場所で語るとして、今は彼等の話に集中するとしよう。
さて、クリスマスイブの一日前、本日23日にこんな事を涼人がカップルたる二人に聞くのは、当然、明日24日や25日の予定の事である。すると、アスナが少し嬉しそうに微笑んで言う。
「うん!キリト君とユイちゃんも一緒に放課後都心の方にイルミネーション見に行こうって」
「都内だと色々あるだろ?バイクで幾つか回ろうと思ってる」
「ほっほぉ、それ、どっちから提案したんだ?」
ニヤニヤと笑いながら涼人が問うと、アスナはますます嬉しげにキリトの方を見て、とうのキリトはと言うと、少し恥ずかしげに頬を掻く。
「ま、まぁ、一応クリスマスだし……俺から」
「そうなんだ〜。いっつもそう言うの言いだすの私の方からだから、今回は嬉しい!」
「パパもスキルアップですね〜」
言いながら、部屋の仲をちょろちょろと飛びまわっていたユイがアスナの方の上にとまる少しからかうように笑って言ったユイに、キリトが「何処でそんな言葉覚えて来るんだ……」とぼやいた。まぁ無論、ネットだろうが。
「ほっほぉ……いやぁ、お前成長したなぁキリト……」
「ほっとけ!て言うか悪意を感じるその台詞!!」
「気のせいだ」
「…………」
ニヤニヤと笑みを張りつけたまま言うリョウを、キリトはうー、と見ながら、その後はぁ。と息を吐いた。
「そうだよ。俺も成長したの」
「はっはっは!っま!俺にとっても大切な義妹さんだ。大事にしろよぉ?」
「って、義兄さんがそういってるよ。キリト君」
「任せろ!」
何時だか聞いたような台詞まわしで返したキリトに、四人の間に明るい笑い声が響く。少しの間そのまま笑いあっていた四人は、やがて笑い終えて、ふとしたようにアスナがリョウに聞く。
「そう言えば……リョウは?」
「ん?」
「リョウは、クリスマスの予定。無いの?」
何故か少々期待したように聞いたアスナに、涼人は苦笑して言った。
「ねーよ。精々家でチキン喰うくらいじゃねぇか?やる事っつったら」
「……えぇ!?」
「おわっ!?」
聞いて、行き成り大きな声を上げたアスナに、リョウが驚いた。途端にアスナが怒ったような顔でつかつかとリョウに詰めより、同
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