暁 〜小説投稿サイト〜
ネギまとガンツと俺
第2話「受容」
[6/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
りながらも一歩ずつ階段を降りる姿はどこか懸命で男なら目尻をさげてしまうだろうが、そのせいで余計に目についてしまう。

「……あ」

 予想通りというか、当たり前というか。

 とにかく彼女はバランスを崩した。階段の端を降りていたせいもあって完全に空中へと投げ出されてしまったのだ。

 異様に高い階段で、その高さは約5Mだろうか。背中から落ちようとしていてそのまま落下すれば結構な重体になるかもしれない。

「……!」

 反射的に荷物を捨てていた。距離は20M、ガンツスーツなら一秒もかからない。一歩目から全力で踏み出し、初速からトップスピードに乗る。余りにも力がこもっていたため、地面が砕けたがそんなことを気にしている場合ではない。

「きゃあああああ」

 悲鳴を上げながら落下する彼女。

 ――間に合った!

「あ」

 どこかで聞き覚えのある声が聞こえた気がしたが、今は構っていられない。落下点に辿り着いたタケルがその娘をキャッチしようと手を伸ばそうとしたとき、それは起こった。

「……え?」

 フワリと彼女の姿が浮き上がり一瞬その場で停止した。再度ゆっくりと落下し始めるその女の子を丁寧に抱え、無事を確認してからその場に下ろす。

「今の……」

 ――魔法か? 一体誰がこんな目立つ場所で?

 魔法は秘密厳守と聞かされていたタケルにとってそれは興味をそそられること。こんなところで魔法を使うのはここがどれほど目立つ場所であるかもわからないほどの単なる馬鹿か、はたまたわかっていて彼女の命を救うために反射的に魔法を使った熱血な馬鹿か。

「「あ」」

 ――ええ、見事にばっちりと目があいました。ええ、それはもう見事に。

 杖を構えてこちらに走り出そうと身構え、さらには明らかに魔法を使ったといわんばかりの姿で、10歳の子供、ネギが突っ立ていた。

 ――どうりでさっき聞こえた「あ」という音に聞き覚えがあったはずだ。

「「……」」

 お互いに固まって数秒、ネギがやっと何かを話そうと口を開いたところでどこからやってきたのか、これまた朝に出会ったツインテール美少女のアスナがネギとその杖を上手いこと捕まえてそのまま走り去っていった。

 その中学生離れした運動に「お見事」などとどうでもいい感想を呟いたタケルだったが、すぐにため息をつく。

 学園長が魔法を教えてくれたのはネギが魔法使いだったからだろう。子供のネギは無用心なので、出来るだけばれないようにフォローしろ……ってところか?

 ――いや、それにしても俺にフォローさせる意味がない気が……。

 もっと別の魔法をしっている教師に頼めばよかったのではないだろうか、と考えてしまう。

「いや」

 一度
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ