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本戦開始
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ばな」

そしてようやく本戦の開始時間となった。ほとんどが古参のプレイヤーばかりらしく今回は新しいプレイヤーは先ほどの男とゲツガくらいだ。

最初はゲツガの出番ではなく、四人が出て行った。どうやらこのゲームは大会を時間を少なくさせるために試合同時に行うらしい。

「ジュンと知らん奴か、まあどうせあいつのことだろうし勝つだろ。ナナミも出るっぽいな。どっちにしろ二人は勝つだろう」

ゲツガは二人は負けることはないと確信している。ジュンはアイテムの使用もあるし、たぶん勝てるだろう。それに、ナナミも勝てると思う。そういえば、ジュンの対戦相手は見たけど、ナナミのを見ていないな。

ウィンドウを取り出し、ナナミの対戦相手を確認する。

「カイザー……皇帝ね。まあ、ゲーム世界でどんな名前をつけようかは勝ってだからこの辺は気にしないといて、口コミはどんなんだ?」

カイザーの口コミを確認する。すると驚くべきことが書かれていた。

「まじかよ……こいつも、ジュンと同じアイテム持ちかよ……」

カイザーはジュンが来る前の優勝者らしい。しかし、去年はジュンに敗れている。がアイテム持ちっていうことは変わりない。

「こりゃ、ナナミは厳しいだろうな。見るからにカイザーは一撃の威力はそこまで高くなさそうだけどフットワークはかなり良いって書いてあるし、それにヒットアンドアウェイ戦法で確実に体力を減らしていくってかなり厄介だな」

そう呟いてとにかく他のプレイヤーの情報に目を通していく。ジュンとあたりそうなプレイヤーは準決勝で当たるあの違和感のある男ぐらいしかいない。自分の所は、この後当たる男とこの試合で勝ったら勝ちあがるカイザーかナナミだろう。

「まあ、どっちが勝つかは帰ってきてからのお楽しみか」

そして、ゲツガは自分の試合までの間は目を閉じて集中を開始するのであった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


十分ぐらいたっただろうか、耳にブザーの音が入ってくる。その音で目を開けると中央のフィールドの扉が開き、ナナミが出てきた。どうやら、カイザーを倒したらしい。その後にジュンも出てくる。ジュンはすぐにナナミに抱きつこうとしていたがそれを華麗に避けられて地面と激突していた。

「お疲れ」

「ありがと」

「しかし、ジュンと同じアイテム持ちと戦ってよく勝てたな」

「正直、負けるかと思ったよ。攻撃は重くないけど一撃一撃が正確でHPもかなり減らされたけど、アイテムの効果が切れた隙を狙って攻撃を叩き込んだら怯んでね、その隙に攻撃をたくさん入れられたから勝てたんだよ」

「なるほど、アイテム持ちには持続時間が切れるのを待つのも一つの手だしな」

そして自分の視界の上に赤い点滅ライトが出てくる。どうやら自分
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