第2話
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本的なことを思い出していたんだ」
祐斗が話し出した。
「僕が何のために戦っているか、ね」
「部長のためじゃないのか?」
おそらく、それが理由じゃないだろう。そんな理由だったらわざわざ悩む必要はない。
「違う」
予想通りの否定の言葉だった。
「僕は復讐のために生きている。聖剣エクスカリバー。それを破壊するのが僕の戦う意味だ」
強い決意がその言葉には込められていた。
Side out
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Side 祐斗
土砂降りの雨の中を傘もさささずに歩く。頭を冷やすにはちょうどいいだろう。
(喧嘩してしまった、部長と)
自分を救ってくれた恩人。『木場祐斗』としては失格だろう。
僕は聖剣への復讐を忘れたことはない。仲間もできて、生活も得て、名前を与えられ、生きがいももらった。だが、思いを果たすまでは、同志たちの分を生きていていいなんて思ったことなどない。
そんなことを考えながら歩いていると、いつの間にか目の前に神父がいた。僕の大嫌いなものの一つ。
しかし、その神父は腹部から血をにじませ、口から血を吐きだすとその場に倒れた。
「――ッ」
異常な気配を感じて、魔剣を創り出してとっさに防御した。
剣と剣のぶつかり合う音が響き、雨の中に火花が舞う。襲撃者は先ほど死んだ神父と同じ格好をしていた。
「やっほ。おひさだね」
嫌な笑みを浮かべているのは、かつて戦ったフリード・セルゼンだった。
「まだこの町に潜伏しているとは・・・・・・・。今日は何の用かな? あいにく今日は機嫌が悪くてね」
怒気を含んだ声で言ってみても、彼は嘲笑うだけ。それがさらに僕の神経を逆なでる。
「そりゃまた都合がいいねぇ! すんばらしい!」
ふざけた口調は健在のようだ。おちょくっているのだろうか? そんなことを考えながら左手にも魔剣を創ろうとすると、彼の剣が聖なるオーラを発し始めた。
(! これは・・・・・・・この光は!! あのオーラは!!)
忘れもしない。僕が憎んでやまないものだった。
「神父狩りも飽きてきたところでさ、ちょうどいいや。お前さんの魔剣と俺様のエクスカリバー、どちらが上か試させてくれないかい?」
そう、彼の持つ剣は僕が憎んでやまない聖剣エクスカリバーだった。
Side out
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