第1話「出現」
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に、情けない声を出してしまう。
いつまでもここいても仕方がないので手帳に記された住所を目指して移動する。歩きながらも、月明かりを頼りに些細な情報でも見つけ出そうと生徒手帳を熟読する。
住所はどうやら近場だったようで苦労せずに見つけられた。といっても自分が通っている(らしい?)学校の側にある学生寮だったらしく、最初から見えていた位置にあったので迷いようもなかったが。
なんとなく誰にも見つかってはいけない気がして、コントローラーを作動させてステルスモードになる。これで誰からも姿を確認されることはないはずだ。
これだけの注意を払って、それでもコソコソと自分の当てられている部屋に入ることに成功した。ホッとステルスを解除したのも束の間、それを見たときには開いた口が塞がらなかった。
「おい……おいおいおい」
部屋の床に散らばっているのはガンツの部屋を体験したのなら誰もが使う代物。ソードに様々なガン。点々と転がっている物騒な兵器たちを目で追いかけると、それらが押入れに続いていることに気付いた。
「……」
激しく嫌な予感がするが、目を背けるわけにも行かない。恐る恐るふすまを開けて、覗き込む。
「……」
やはり、あった。しかも、予想通り。
「バイクと……強化スーツ……」
もはやここまで用意されていると笑えてしまう。いや、バイクならまぁ、いいと思う。勿論100歩譲って、の話だが。
だが、強化スーツに関してはやりすぎだろう。確かに100点クリアを5回目辺りでこのスーツを手に入れたときは頼もしいと思ったが、これは危険すぎる。
コレもガンツスーツと同じで専用アイテムらしいから他人に使われる心配はないのだが、それでもこれは……さすがに。
――だが、まぁ、とにかく。
部屋に落ち着けたということで、少しホッとできた。
――なぜこんなところにこれらの超兵器が? しかも黒球は?
などと当然のように湧き上がる疑問符はあえて無視。とりあえず現状の確認を急ぐことにする。
先程目を通した生徒手帳によれば、本来寮の部屋は2人か3人の組で一部屋当てられているらしいのだが、他にこの部屋を使っている人の気配はない。
よくわからないが、転校でもしたのだろうか?
まぁ、いないならそれに越したことはない。これらの兵器はとりあえずこの部屋に置いておいてもよさそうだからだ。
「あとは……」
目を閉じ、両こめかみを片手で押さえ、備えつけられている椅子に座り、ため息をついて、
「おちつけ、受け入れろ」
一人、呟く。
わからないことがあまりも多くて頭がパンクしそうだった。
「どんな信じられない状況も目の前の真実を疑って、一つ一つ答
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