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なのは一途のはずがどうしてこうなった?
第三十八章 教えたいこと
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たヴィヴィオ。
コレが、本命だ。
掌打も蹴りもヴィヴィオに俺の攻撃をガードさせる囮だ。
ガードと同時にバインドで拘束が俺の本命。
左足をヴィヴィオから蹴って今度は逆回転する。
右足を軸にコマのように回転、更に左足を一歩踏み込み、その回転力を左手の掌打に乗せて打つ。

「ぐっ……うぅっ……」

2、3歩ヴィヴィオは後退する。
身体内部へのダメージに加え、魔力を込めた掌打なので内部レリックコアにもダメージがある。

「結構本気で打ったのになあ……」

一撃必倒のつもりで打ったんだが。
ヴィヴィオは倒れなかった。

「パパ、本気だね」
「ああ、娘に負けるわけにはいかないからな」

バインドが解かれた。
追撃のタイミングはなかったと思う。
恐らく、追撃しようと不用意に近づいたところで反撃を用意していたはずだ。

「あんまり手の内を読まないで欲しいかな。心の中を見られているみたいで恥ずかしいよ?」
「そりゃ無理な相談だ。娘の早めの反抗期を正すのが親ってもんだ」
「強いねパパ。本気で惚れたよ。だから、貞操を奪わせるんだっ!」
「性教育にはまだ速すぎるっ!」

拳と拳が交差する。



ヴィヴィオは、聖王の血を引いている。
古代ベルカ王族が遺伝子レベルで保有する防衛能力がある。
五体を武器化する、古代ベルカの戦乱の中で生まれ、編み上げられた防衛機能だ。
その他にも聖王のゆりかごの駆動炉から無限とも言える魔力供給があり、戦闘経験を高速に収集して覚え、相手の攻撃を無力化及び学習し相手を圧倒する能力があるのだ。
これらの高能力に加えて、相手は熟練の技と経験を持つミウラ・ケイタであるのがヴィヴィオを成長させていた。
戦闘中に劇的に成長する。
徐々に、均衡は崩れていく。
ミウラ・ケイタの経験が。
ミウラ・ケイタの技が。
ミウラ・ケイタの老練さが。
全て聖王であるヴィヴィオの糧になり、燃料になり、爆発的な成長を加速させていく。
届かなかった拳が届く。
防げなかった攻撃が防げる。
攻防が入り乱れる。
砲撃が届く。
追撃が届く。
体術も、魔法も。
ヴィヴィオが勝り初めていた。



「ペッ。あー、久しぶりに口の中切った」
「パパ、そろそろ私勝ちそうだよ?」
「親を殴る娘が悪いのか、娘を相手にマジで殴る親が悪いのか……」

心のどこかでヴィヴィオに対してストッパーがかかっていた。
無意識的に加減していた。
どんどん強くなる娘の姿を見たいと思ってしまっていた。

「ヴィヴィオ、俺は、初出動の前に必ずいう言葉がある。それは、現場においては頑張るな、努力するな、全力を出せ。それで駄目なら生き残れ、ってな」
「うん……」
「……この言葉には続きがある」

新人達が
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