第一章 八話 熱圏突破 前編
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バウンゼィ ブリッジ
バウンゼィも似たり寄ったりの状況であった。ギリアスを含むバウンゼィのクルーは流れ落ちる汗を拭い素知らぬ顔で浮かんでいるヴァナージを憎しみのこもった目で睨みつけながらそれぞれの仕事に集中する事で暑さを少しでも忘れようとしていた。
が、それでも限界が来たのか一人目が遂に暑さに屈して
「あちい………」
等と言ったものだから辛うじて誤魔化していたクルーの体感温度が上がったのである。
「くっそ〜〜」
ギリアスもエンジンを全開にして一刻も早くこの悪夢のような宙域から脱するべく、努力していた。
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ユニコーン 医務室
いくら放熱板を展開し、装甲に耐熱処理を施しても限界というものはある。
遂にユニコーンでも熱中症患者が出た。
機関室のクルーである。
「しっかりしろ!医務室は目の前だぞ!」
同僚に肩を貸されてヨロヨロと歩いてくる機関室のクルー。
それを待ち受けるエーヴァ。
「来たな。患者をそこに寝かせろ。」
「あ、はい。」
ところで、彼女の本職は外科である。繰り返す。彼女の本職は外科である。
なので本職以外の医療行為はどうしても荒っぽくなる。
「ふむ。まずは冷却。」
迷わず冷水をぶっかけた。
「ぶわっ!?」
巻き添えをくらう同僚。
「次に水分補給。」
放水ホースを患者の口に押し込んだ。
「むぐぅ!?」
何故か再び巻き添えを同僚。
「最後に湿った布で包む。」
「かはっ………」
やはり巻き添えをくらう同僚。
………………………………合掌。
続く
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