第一章 八話 熱圏突破 前編
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ろそろ舌が干からびそうになったところでようやくクー・クー顔負けのがめつい業者に白旗をあげさせる事に成功したのだ。
それでも出費はバカにならない。白野としては何食わぬ顔で航路上に居座っているヴァナージに今すぐエクサレーザーを叩き込んでスターバーストの一つや二つ起こしてやりたい気分だ。
何しろ耐熱処理の代金が5000Gもしたのだ。クルーの給料を減らすのは主義に反するので自腹を切っての耐熱処理である。
おかげで数ヶ月先まで彼の財布にはブリザードが吹き荒れることだろう。
「………よし、準備完了。後はバークの報告を待つだけだ。」
バークの腕ならこの時間で既に修理を終わらせているはずだ。これは確信を持って言える事である。
噂をすれば影、ブリッジにバークからの通信が入った。
『バークか。バウンゼィの調子はどうだ?』
『修理完了。これより帰還します。』
『ああ。ご苦労だったな。』
このメカオタクの整備士との通信は本当に短い。実力は確かだしメカの事になると無口ではなく饒舌となるのだからいい話し相手でもいればいいのだが………
その時、今度はギリアスから通信が入った。
『こっちはOKだ。いつでもいけるぜ。』
『よし、ではユニコーンが先導を務めよう。後ろについて来いよ。』
『おうよ!』
ギリアスも準備ができたようだ。後は出港するのみ。
その時、ブリッジのドアが開いてオペレーターのゲイケットが入ってきた。
「おーい、艦長………うお!なんだ、そのサングラスは?」
流石にゲイケットでも白野のサングラスの迫力には驚いたようだ。
「どうだ?俺のサングラスもなかなかイカすだろう?」
実際白野がわざわざサングラスをかけた理由はこのセリフが言いたかったからなのだ。ネタには努力を惜しまない彼の性格が表れている。
「イカす、いうか迫力が半端じゃないな。」
「そうか?」
しかし、白野自身はサングラスを気に入ったようで外すつもりはなさそうだった。
「さて、ゲイケットそろそろ仕事をしてくれ。出港だ。」
「お、いよいよだな。マゼラニックストリーム、いやまずはヴァナージからか。」
「あのクソ暑いガスの塊には5000も出した。これ以上は1Gも奴に搾り取られるわけにはいかん。熱圏に入ったら最大船速で奴の魔の手から逃げる。いいな?」
「機関室の連中に準備させておこう。」
「そうしてくれ。」
こうして、ユニコーンの出港準備は確実に進んで言った。
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ユニコーン 医務室
ユニコーンの医務室では紅一点のエーヴァが来るべきヴァナージの熱
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