暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはVivid おっさん奏でるStory
Memory;1 覇王が酔いどれと出会った日
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に「二人の所在を言え、さもなくば痛い目にあわせるぞ」と……」
「……そう捉えてもらっても結構です」
「ほ〜ぅ。ただな、お嬢ちゃん」
これはこれはと言わんばかしの大仰なリアクションをし、ジロリと少女を見る。その目は先ほどまでのお茶らけたものではなく、獲物を自身の視界に捕らえ、これからその獲物に対して
狩猟
(
ハンティング
)
を行う歴戦のハンター思わせる鋭いものだった。
「一つ訂正しなきゃならねぇ事がある」
「……なんです?」
「それはな……」
男がそう言うのと、少女の顔面を掴みそのまま地面に叩きつけ、少女が気を失うのはほぼ同時だった。
「痛い目を見るのはお嬢ちゃんの方だってこと……って、もう遅いか」
視線の先には地面に倒れ付し、そのまま気絶して動かなくなった少女を見ながらそう呟く。だが、その口調は「なんともつまらない」と言わんばかしの感じである。
「やれやれ、噂の覇王とやらがどんなものかと思えば……ん?」
「まさか酔っ払い相手にワンラウンド且つワンサイド一撃KOとはな」と言おうとした所で、少女の体が淡く光り始める。スラリとした長い四肢、出る所は出て、引き締まる所はちゃんと引き締まっている体つきは、まるでその人物の成長を巻きもしているかのように四肢は短く、体つきは細く控えめになっていく。そして光が消えて現れたのは――
「おいおい。まだ子供じゃねぇか」
そう呼ぶに相応しい、幼さが前面に出た少女の姿だった。
「……なんか、色々と厄介な気がしてきた」
そう呟いて、男はため息をついて少女を担いで自身の住まいへと向かった。
「言っておくが誘拐じゃ無いからな」
誰に言っているのかこの男。
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