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少年は魔人になるようです
第13話 黒翼は過去と戦うようです
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夢無明亦無《カインエグゾガンス》≫!!!!』」


私の奥義は、強化された力を『投擲』を放つ為だけに使い、

放つと同時に『暗逆併明』のエネルギーに魔力を上乗せして発射する事。

光速に迫る速さを持ち、≪暗逆併明≫+αの魔力を纏った双槍の総エネルギー量は、

太陽など、簡単に吹き飛ばせる!!!



ズッ

と技がぶつかり合う音が聞こえた後、


オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!


凄まじい音と光が放たれ、次元が歪む。

しかし音は直ぐに止み、『明星の彗星』は弾かれヒュンヒュンと飛んできて

私の2m程前方に突き立った。


その更に15m先には、最早、原型の残っていない鎧と、

レーヴァンティンを杖代わりに立っている、痛々しいミカエルが居た。


「ま、だだ…。まだ、私は……!たた、かえる!!」


ゴゥ!とミカエルは再度レーヴァンティンに炎を纏わせる。

が、その炎はチラチラと揺らぎ、剣も碌に構えられていない。


「ミ、ミカエル!もう止めましょう!!これ以上は……。」

「うるさい!!私は、貴方に勝たねばいかんのだ!」


レーヴァンティンを振り上げ、私に襲いかかって来る。

私は『明星の彗星』を取り、それを受け止める。


「な、なぜそこまでするの?!こんな事をしなくてもあの子達は―――」

「黙れ!!私が……私が助けたかったのは、あいつ等と、貴方だった!!」


ガイン!!  ガイン!!  ガイン!!  ガイン!!


「私は、助けたくて!!貴方に、ただ認めて貰いたくて、

貴方の後ろで無く、横に並びたくて力を磨いた!!

1000年掛け、ようやく貴方と同じ地位に就いた!

3000年掛け、ようやく皆を助ける準備が整った!!なのに、何故!

何故貴方が此処に居る!?」

「ミカ、エル………。」


ガイン!      ガイン!       ガイン! 


「私の!!!!!」
ガイィィィィィィンン ヒュン ヒュン ヒュン  ドス! ドス!


「私の、してきた事が、・・・無駄ではないか・・・・・・。」


私達の武器が飛び、後方へと突き刺さる。

ミカエルが膝を付き、目の端に溜まっていた涙を流す。


「ミカエル。」


私も膝を付き、ミカエルをそっと抱き締める。


「貴方のして来た事は無駄じゃないわ。私を助けてくれたのは、貴方では無いけれど。

貴方のお陰で、あの子達を助けられる。

――それが、不満なのかしら?」


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