第12話 魔人の復讐は失敗するようです
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「まぁ、いいぜ。俺に可能な事ならやってやらんでも無い。」
「貴方の…居た、地獄の一階層上の、『無血地獄』。
そこに、……私と同意見の者、が居を構えています……。」
―――『無血地獄』。『血が流れる事の無い地獄』。
此処の住人は、血を見ないと生きていけない様な者達。
その罪の重さは、推して知るべしって所だ。
「ok、そいつ等を皆殺しにすりゃいいんだな?」
「ええ。私と同罪なのに…、私だけ死んでしまう…のは、気に入りませんからね。」
「ああ。全員お前と一緒の地獄に送ってやるから、安心しろ。」
「フフフ、天界人は、死んだら魂ごと消えるので…、それは無理ですね……。」
「分かってるよ。皮肉だ。」
「ああ……。貴方と話しているのは、存外…、楽しかったですよ。
それでは…、さようなら……。――――――。」
最後に呟き、それまでの死神めいた表情が嘘のように綺麗に笑い、
パシュゥ、と光の粉になって散り消えようとする。
俺はその空間に『停止』をかけ、消滅を防ぐ。
「フン、『神』の恥さらしが!!
主神様に弓引くから、人間なぞに殺されるのじゃ!!」
そう、クルセウスが叫ぶ。奴を、恥さらしと呼ぶ。
「役立た「黙れ」―――?!」
オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!
俺はこれまで全く解放していなかった魔力を、爺にぶつける。
「奴への侮辱は、俺が許さん。」
奴は、最後に俺にこう言った。『天界を、お願いします』と。
カタルシスの真の目的は、『天界の調律』。
現在の天界はクルセウス・アリアによる派閥が最も力を持っている。
『天界人以外をゴミとしか見ていない』派閥だ。
カタルシスはそれを取り除き、天界をあるべき姿に戻そうとしていた。
問題なのが『神』中最強たるクルセウスの排除と、賛同する天使・天界人の排除。
軍の『神』以外の5割以上が、クルセウス側(この神殿に居た天使全員)
だと言うから驚きだ。
そこでカタルシスは地獄の犯罪者を使い、賛同する者を殺し、
『魂契約』により強大な力を得、クルセウスを倒そうとしていたのだ。
これを俺が知っている事を、あいつは知っていた。
それでも、最後まで言わなかった。
信念を持つ奴は、きちんとした仲間が居れば道を踏み外したりしない。
故に、あいつの手伝いをしたいと思った。
そしてその為にも、俺の目的の為にも―――――――
「な、なにを言っておる?!
あやつと貴様は敵同士じゃろうが!!それを何故庇う?!」
「お前に教える必要はない。もう良いから、口を開
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