第12話 魔人の復讐は失敗するようです
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る』と。いやいや、実に狂っていて素晴らしいな。」
俺が言うと、ピタ!とカタルシスが止まる。
そして、狂気の代わりに出て来たのは、純粋な殺気と畏怖。
「これはこれは……。
その目的は資料どころか、一度たりとも言葉にしていないはずなのですがねぇ…。
本当に貴方は面白い。ですから、此処で死んでいただきますよ?」
チャキ、と短剣を構えるカタルシス。
こいつ相手に、余裕は出していられない。そう、俺の勘が告げている。
ガシャ、と『アトロポスの剣』を構えながら最後の問いを聞く。
「どうしてお前みたいなのが『神』になれたか不思議でならないよ。」
「簡単ですよ。品行方正に働き、
洗礼でそれなりの力を頂ければ『神』になんて誰にでもなれます。」
「洗礼?なんだそりゃ?」
「天使が自分の幼名を主神に捧げ、能力を貰う儀式の事ですよ。
序に教えて差し上げますが、これを『神契約』、貴方の行ったのを『魂契約』と呼びます。
『神契約』で捧げるのは名前のみ、しかも自分の仮名ですから、
主神から頂ける力は『魂契約』より格段に落ちますが。」
と、長々と説明してくれた。
「実はお前、良い奴?」
「ククク、違いますよ。私の目的を知っているという事は、
その方法も知っているのでしょう?」
「ああ、知ってるさ。」
「なら聞く必要は無いでしょう。
まぁ、貴方のせいで使える魂が大分減ってしまいましたが、
問題ありません。それ以上の器の魂が二つも来たのですからね。」
こいつの用いる方法とは、大勢の魂を使い、主神の力を掻き集める事。
さっきまで得心いかなかったが、こいつが説明してくれた『魂契約』で分かった。
「そろそろ我慢できなくなって来ましたので、早く始めましょうか。
『神』級大天使第4位、『死』のカタルシス。獲物は『死神の鎌』。」
「…魔人、『創造者』愁磨・P・S・織原。獲物は『創造物』。
所で、鎌じゃねえよ!!ってツッコミはアリか?」
「この武器の姿は千差万別。私の得手が短剣と言うだけです。
それでは、ちゃっちゃと死んでください!!」
「ハ!相手にはなってやるよ!――まぁ、適当になぁ!!」
ドンッ!!と全力で俺が突っ込んで行くが、奴は魔法で俺に牽制を入れてくる。
短剣だから接近戦主体の奴だと思っていたから、不意打ちを食らった気分だ、っと!!
「『敵の攻撃消去』!!『消去』!!『消去』ぉぉぉ!!!」
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!!!
俺はアトロポスで何度も魔法を消し、『ジャッカル』で幾度となく撃ち落とす。
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