5.遭遇
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に聞く。
「何か…声、みたいな」
「別に…何も聞こえ無かったよ?」
少し考えたように言葉に間が空いたがそれでも答えは聞いていないだった。
「聞こえなかった…かな」
そう言った次の瞬間、なのははいきなり進行方向に向かって走り出した。
先ほどの会話で空耳だろうとアリサとすずかは思っていた。
だが、なのはは迷わずに前に走り出していた。
運動音痴だと本人は言っていたにも関わらず、彼女は速かった。
その走る姿は少なくとも運動が苦手などと言う印象は与える事は無い。
地面を踏みしめ、確かな足取りで前に進んでいた。
「おい!なのは!」
夜市は呼び止めようと声を上げるが、振り向かずになのはは先に進んで行ってしまう。
「多分…こっちの方から…」
そう小さく呟く。
誰に聞かれた訳ではない。
自らに確認を取るように、進む道を間違わないように、小さく呟くことで自分に確認を取る。
「何を見つけたのは知らないけど、進んでる方向じゃないか。なら、そんなに急がなくてもいいんじゃないのか?」
後ろから小学3年とは思えない速さで追いかけて来た夜市が発した言葉だった。
「そういう事じゃないの!」
なのはは走りながらにも拘らず、大きな声で反論してきた。
運動が出来ないと言っていた事がまるでウソなのかと思うほど、なのはの声は大きなものだった。
なのはが運動が苦手な事をその両目で見ている夜市すら、本当は運動が出来るんじゃないのか?と疑うほどだった。
その時、林が晴れ、そこに薄茶色の細長い柔らかそうなクッションの様な物が落ちていた。
「見つけた…」
それを見つけた時なのはは一人無意識に小さく、誰にも聞こえないほど小さく呟き、それを両手で大切そうに、抱き上げた。
「やっと追いついた。どうしたの?なのは、急に走り出したりして」
そこに少しばかり息を切らて追いついたアリサが聞てきた。
「動物、拾ったみたいだぞ」
「その子、怪我してない?」
すずかがなのはの両手で抱いている動物を見て言った。
確かに動物の後ろ脚には傷があった。
見てすぐそこに気付くとは、伊達に大量の動物を飼っている訳ではないのだと感心させられる。
「本当だ。ど、どうしよう」
怪我をしている事に気付き、一気になのはがオロオロと慌て始めた。いつもは殆どこういう風にはならないなのはが珍しく慌てている。
「動物病院に連れて行けばいいんじゃないのか?」
夜市は怪我をしていることを知って慌てている3人と違い落ち着いて判断をしていた。
「えーと、この辺に動物病院てどこにあったっけ?」
夜市の言葉を聞いてなのはが反応した。
怪我をして
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