第7話 甘い菓子には渋いお茶が一番
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だろうが」
「嫌ネ! 定春は私と一心同体アル! 私が定春と離れたら誰が定春を育てるアルか?」
「一生の別れじゃねぇんだよ。うだうだ言ってねぇでさっさと出せってんだよ」
今度は銀時とも喧嘩し始める始末である。このままでは埒があかない。そう思った時、別の店員がやってきた。どうやら注文が遅いので見に来たのだろう。
今度は女性の店員だった。だが、青年と比べると結構年上のようだ。栗色の長い髪をした綺麗な女性だった。
「どうしたの恭也。注文まだ?」
「あぁ、母さん。注文受けに来たんだけど、此処の客達がちょっとさぁ―――」
お手上げと言った顔で恭也と呼ばれた青年が銀時達の居るテーブルを差す。其処では銀時と神楽が激しい口論を勃発し、それを止めようとしたであろう新八が無残な姿で横たわっていたのであった。
「どうしましたか? ご注文はお決まりですか?」
「って、母さん。それ以前にこの人達ペットを連れてるんだ。家はペットの入店は禁止だろ?」
「それもそうね。でしたら外でお召し上がりになられてはどうですか?外から眺める海も良いですよ」
恭也とは違い柔らかい物腰でそう告げる女性。その言葉を聞いた銀時達も頷く。このままこうしていても注文は取れないし料理も来ない。だったらいっそ全員外で食べれば問題ないではないか。そう言う結論の元一同は一路外に用意された丸テーブルに腰を掛けた。
そして、それを見計らってか恭也が再び注文を受けに来た。
「お待たせしました。ご注文をお伺いします」
「あぁ、とりあえずこのジャンボチョコレートパフェってのくれ」
銀時はまずメニューに乗っていた直径約60センチ位の巨大パフェを頼んだ。彼曰くこれ位の糖分がないとやっていけないのだろう。
「私は酢昆布1ダース位で良いアル」
「す、酢昆布って……生憎家には酢昆布を置いてないんですけど」
「んだよ品揃え悪い店だなぁ。人気店なら必ず酢昆布を置いておく物アル。察しろやゴラァ」
「あんたの常識なんか知るかぁぁ!」
幾ら言われても無い物はない。結局、仕方なく神楽はフルーツ盛り合わせビックサイズで手を打つ事となった。本当に仕方なくなようで。
「はぁ……それじゃ、君は何にする?」
「あぁ、それじゃ僕は餡蜜でお願いします」
「嫌、あのさぁ君。此処喫茶店だよ。そう言うのって茶店で頼む物だと思うんだけど」
「あ、すみません。つい癖で……」
恥ずかしそうに頭を?きながら新八は再度メニューを開く。目を必死に泳がせて何を注文するか探していたのだ。
「あぁ、もう面倒くさいからこいつ適当で良いっすよ。何ならクッキーの欠片でも良いんで」
「おいぃぃぃぃ! 本当にあんたは何なんだよ! 人が必死に何を頼もうか考えてるってのに揚げ足取ってるんじ
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