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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
番外編 「自慢できない武ユウ伝?」
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度か語ったことがあるが、ユウは小学6年生から中学1年の後期辺りまで非常に荒れていた。理由は目標である兄に全く追い付けない事へのいら立ちと自分の弱さ。そんなユウは1年生まではバリバリの不良だったわけだ。
元々難癖をつけてくる先輩を殴り飛ばすなどの行為をしてればそうもなるだろうが、ユウが完全に周囲からも不良と見なされたのはある事件が切っ掛けとなっている。その事件以来ユウはこの店に良く足を運び、そして兄と和解して不良から足を洗った後もこうして時々様子を見に来ているというわけだ。

「いやー今でも思い出しますよ、ユウさんのユウ姿を!」
「さみーんだよてめぇのギャグは!!」
「先輩、死んでください」
「そこまで言うか普通!?・・・ああ、武勇伝と言えば、この前あの人がすげえ久しぶりに店に来たんすよ」

突然同級生である不良の一人―――御手洗数馬が思い出したように言った言葉にユウは首をかしげる。

「あの人って・・・誰?」
「ほら、ユウさんの武勇伝の始まりを飾ったあの(かなえ)先輩ですよ!」
「・・・・・・あ、ああそうなんだ」

完全に引き攣りかけた頬の筋肉を無理やり捻じ曲げて笑顔を作るユウ。喋った本人は気付いていないようだが、その名前はユウにとってある意味もっとも聞きたくない名前だった。それは彼が中学に入学して3か月ほど経ったある日にまで遡る、今でも後悔している事件。
・・・と言っても内容は自業自得なのだが。







「ねーねーそこのキミぃ、おねーさんとイイコトしなぁい?」

そんな猫なで声が休み時間の教室内に響く。声の先には腕を枕代わりに机で寝ていた男と、その机の横に立つ美少女。少女はスタイルも抜群で顔もモデルのように整っている。これで声を開けられたのが弾あたりだったら奇声をあげて「喜んで!」等とのたまうだろう。
声の主はこの駅河中学で最も有名な女生徒、二年生の鼎だった。
それを横目で見ていた御手洗は、内心で声を掛けられたユウに同情していた。

(あーあ、お気の毒に・・・”お嬢”に目をつけられたか)

お嬢とは鼎の渾名である。実家が大企業、自身も容姿端麗で非常にわがままな鼎は親の権力を盾に校内で自分勝手なふるまいをしていることで有名だった。気に入らない女生徒を虐めるよう指示を出すのは良くあること、気に入った男を目に入った端から無理やり連れて行き自分の求める行為を強要、抵抗したり飽きるとつるんでいる不良たちに暴行を加えさせ、時には「乱暴された」と虚偽の申告をして退学に追い込むこともあるほどであった。周囲は男も女も教師でさえも彼女に逆らう者はいない。無論彼女も女尊男卑の風潮を良しとしている女性の一人であり、悪い意味で「強い女」の象徴だった。
そんな女に目をつけられたら残る道は唯二つ、飽きられるまでず
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